『中国公安トップがイラン訪問、テロ対策で連携強化目指す』と言う記事を見て、果たしてイスラム国家が中国に迎合できるのか、と言う疑問が出てきた。中国では新疆ウイグル自治区でウイグル族との間に戦闘行為が行われている。そもそもの原因が漢民族のウイグル族に対する弾圧行為が問題になっているからだ。中国政府の基本政策、漢民族の統治は絶対に譲れないものだ。ウイグル族はウイグル地区が中国に併合されて以来、弾圧に苦しんできた。そして民族差別が極めて大きい中国の政策はウイグル族にはとても受け入れられないものなのだ。
そんなウイグル族がイランから見たらとても我慢できるはずがない。しかし、敢えて中国の公安トップがイランに乗り込んでいったというのは中国は余程ウイグル族の反乱に手を焼いているという事になる。中国には宗教は存在しない。いわば共産主義に宗教は必要ない、と言う国の施策なのだ。ウイグル族が進行しているイスラム教は、中近東諸国や東南アジア諸国では多くの民族が進行している。
今後、中国がイランと仲良くなろうとしたなら、必ずこの「イスラム教」がネックになるに違いない。それはイランに限らずイスラム国家全てに言えることだ。果たして中国がイスラム国家を手を組んでいくことが出来るであろうか。まず手始めにイランと手を組もうという事だろう。しかし、その前途は決して簡単ではない。前にも書いた通り、イスラム教はキリスト教よりももっと手強い相手なのである。
中国政府が若しイスラム国家と表面的に手を組んだとしても、根本的なところで考え方が違っているために最後は決裂してしまうのではないだろうか。宗教の対立は、民族の対立よりももっと激しい。妥協するところが殆どないのである。今回の公安トップが例えイランと手を組むことで合意できたとしても、果たしてウイグル族まで抑えることが出来るかは不透明だ。何故なら、イラン以外のイスラム国家が満足するか、という事だ。イスラム教と言っても派閥が存在していて、それを乗り越えられるかである。
中国にとって宗教は無用のもの。従って、チベット族やウイグル族に対する弾圧はこれからも続くだろう。イスラム教徒迎合できるとは考えられない。水と油の関係なのだから。