日本と中国は高速鉄道において大きな考え方の違いがある。それは表題に書いたように、日本は第一に安全性を考える。中国は第一に速度を考える。高速鉄道は速度を早くすることは売り物だ。在来鉄道は速度に限りがあった。様々な理由があるが、最も大きな理由が専用線を走るかどうかである。日本が最初に高速鉄道(新幹線)を走らせるのに成功したのは専用線を使う事だった。
この考え方は従来の鉄道の考え方を根本から覆したものだった。鉄道はスピードを挙げれば踏切などはとても危ないものになる。踏切の無い、直線の線路を引き、停車する駅の数を抑えることで目的地により早く到着することが出来る。このようなことを日本の新幹線は以上のような考えて建設されたのである。そしてその根源にあるのが安全性である。日本は災害の多い国だ。
地震、台風などの自然災害は必ず何処かで起きている。高速鉄道は地震があっても直ぐに停車することは難しい。そこで色々なことを考え出したのだ。信号システムもその一つだ。総合指令所を造って全ての列車の動きを瞬時に捉えることが出来る。地震発生と同時に全ての列車が停止できるようになっているのだ。地震以外でも災害が発生すれば、同じように列車を即座に停止させることが出来る。
安全第一は日本のうたい文句である。安全が確保されなければ日本の新幹線は走ることが出来ない。安全を守るための様々なシステムやメンテナンスが常時行われているのだ。日本の新幹線が開業以来50年以上に渡って脱線転覆事故を起こしていない。中国から見たら神業に見えるかもしれないが、目に見えないところでの多くの作業が行われていることに中国は気が付いていないようだ。
中国が高速鉄道で脱線転覆事故を起こしているが、なぜ起きてしまったのか、という原因究明が本当に行われたのだろうか。事故が起きてもこれを生かすことが出来なければ再び事故を起す事になるだろう。事故が起きてしまったことは取り返しがつかないことだが、これを生かさなければ全く無駄になってしまう。事故原因は人為的なミスから自然に起きてしまったものまであるはずだ。
自然災害を除けばすべての事故は人為的なものなのだ。中国はスピードを競っているが安全性を確保できなければ何時かまた再び事故が起きるであろう。事故というのは些細なことから起きるもの。ソフトでカバーできる所はお金を惜しまず掛けるべきだろう。中国にはそれが出来るかどうかだ。
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