今の主張を叫び続けている限りトランプ大統領の出現でアメリカは世界第3位に転落すると小生は見ている。アメリカの力を過大評価しているのだ。「強いアメリカにする」というが、アジア諸国を捨て、中近東を見限り、ヨーロッパから見放されればアメリカなど何処の国も必要なくなる。アメリカと同盟を組んでいる国は同盟を解除することを検討するだろう。アメリカとの
同盟をどのように考えているかである。
東アジアでの日本は中国の進出を抑え、東南アジアに対して中心的な存在なのだ。その日本を牽制するような扱いをすれば日本はアメリカと強い同盟をする必要性が薄くなる。中国の壁になっている日本がどれだけ中国を抑えているのか、今のトランプ氏には殆ど理解していないだろう。そして、トランプ氏を取り巻く中枢たちもトランプ氏と同じように考えているのではないか。
アジアにおける日本は絶大なのだ。特に中国にとって日本は頭の上のたんこぶの様な存在だ。そのような存在の日本に対してぞんざいな扱いをするようなことがあれば日本としては何もアメリカに力を貸すことはない。自由な立場で行動すればいいのだ。アメリカと日本は現在ではウィンウィンの関係であるはずだ。それが解らないトランプ氏は日米関係を続けていくことは難しいだろう。
アメリカの立場は日本だけではない。世界第1位として自認していくには東南アジア、中近東、ヨーロッパなど多くの国と上手くやっていかなければならない。勿論、中国やロシアと共に世界の指導者たる地位を保持していくにはそれなりの覚悟をする必要がある。特に、中国との関係は様々な点で主張が異なる。経済的には中国が追い上げていることを考えると、アメリカが今後とるべき姿勢は今トランプ氏が主張しているやり方ではすべてを失いかねない。
アメリカの威信が失われれば世界が混乱に陥ることは間違いない。特に経済の混乱は救い難い。政治の対立は過去に冷戦を経験しているので解っているはずだ。しかし、経済の混乱はアメリカが考えているようには甘くないのではないか。中国が金を使ってとことん発展途上国を食いつぶしていくことをアメリカが食い止めなければ中国が次の支配者になってしまうだろう。ロシアが経済的に貧困な状態も中国と手を組むことでアメリカを追い落とすことになるのではないか。