一言、云いたいね

社会の状況を見て一言云わせて貰う

新しい企業年金制度の創設、甘くないぞ

2015-07-24 05:04:10 | 日記

『第3の企業年金創設 会社単位で運用、給付は変動』という記事を見て考えてみた。今まで運営されてきた厚生年金基金制度、適格退職年金制度、確かに問題点は多い。しかし、何故うまくいかなかったのか、関係省庁は本当に反省しているのだろうか。過去の反省がないまま新しい制度を作っても、また同じことの繰り返しになるような気がしてならない。小生が最も危惧しているのは、官公庁の役人の天下りである。

新しい制度を作った場合、制度の運用を手助けするという名目を作って、そこに必ず役人が天下りをする。役人が深く関係することで制度そのものが膠着状態に陥ることが多い。なぜ失敗するのか。役人は、金融に関しては完全な素人である。少なくとも、厚生労働省からの天下り役人に金融のプロは存在しないはずだ。そんな人間が数百億円、数千億円のお金を運用することの危険性は今までに経験してきたことだ。同じ過ちを繰り返すことが如何に役人的発想かが良く解る。

厚生年金基金制度では、多くの企業が撤退を余儀なくされた。現在生き残っている厚生年金基金は僅かしかない。所謂企業努力をしている基金が生き残っているかと言えばそうではない。今生き残っている厚生年金基金は解散するにも解散できない理由が存在する。解散するための最低積立金が不足しているからだ。参加している中小企業を中心とした総合型厚生年金基金は、旧厚生省からの天下り役人が中心になって組織運営をしている。金融の素人が運営してきたために大きな損失をしてしまい、最低積立金を大きく割り込んでいるはずだ。

制度運営は、天下り役人が簡単にできるものではない。組織の運営は役人にできても金融の運営は簡単にできない。そのことを全く反省しないで新たな精度を作って本当に大丈夫なのか。年金制度は20年や30年ではない。最低50年、100年先を考える必要がある。過去の失敗をどのように分析したのか解らないが、少なくとも役人が絡んだ制度には何か信用できないものがあるように思える。特に天下りが新しく発生する制度は、何のための制度なのか疑問だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする