一言、云いたいね

社会の状況を見て一言云わせて貰う

国民は本当に脱原発を即時実施したいのか

2012-08-02 05:14:18 | 日記

この問題は、脱原発を即時実施した場合に起きるであろうあらゆることを想定しているのだろうか、ということである。その時のムードで脱原発を訴えている人もいるのではないだろうか。電力不足に陥ると何が起きるのか。第一に計画停電である。第二に火力発電所をフル稼働させるための燃料の更なる購入である。第三に、上記の状況によって電力料金の値上げによって国民に多くの負担増が出てくることである。

第一に挙げた計画停電であるが、関東地方に住んでいる人たちは昨年計画停電の経験をしている。最も影響を受けたのが零細企業、中小企業である。勿論、一般家庭でも影響を受けているが、企業の影響に比べれば大したことはないかもしれない。大企業では自家発電装置を新たに設置すればある程度カバーできるかもしれないが、零細企業、中小企業はそうはいかない。自家発電装置を購入できるほど余裕はないのである。

第二は、燃料費高騰による電力料金の値上げである。燃料の殆どは外国から輸入しなければならない。輸入コストの増大により、電力料金は値上げとなり、強いては製造コストに跳ね返り、物価の上昇を招く。また、製造コストの増大は企業の日本からの撤退につながる。景気は恐らく後退することになるだろう。失業者も増え、生活は不安定になり、治安は悪化するであろう。

第三は、国民の負担が今以上に増大し、生活は益々苦しくなる。失業者が増大し、将来の見通しは立たなくなる。

このように見てくると、脱原発は言葉では綺麗ごとであるが、即時に実施するリスクが極めて高い。国民がどうしても即時に原発を全て止めることになるとすれば、上記に書いたリスクを本当に受け入れることを考えているのだろうか。ただの思い付きで脱原発、即時原発停止を叫んでいるのではないか。国民の生活、日本の経済など、すべてのことを考えた場合、ソフトランディングを考える必要があるのではないか。10年とか15年とかの期間を定めて原発に依存しないで経済の立て直しをする、ということである。経済的な打撃を本当に国民が我慢できるのならいいのだが、イザやってみたら大変な事態になり、たじたじになる。取り返しのつかないことになってしまう。

単なる思い付きでは脱原発は実施できない。原発に代わる代替エネルギーをどのように獲得していくのか。国のエネルギー政策を考えながら自然エネルギーを増大していくことが理想なのだが、どのくらいの期間で原発に代わるエネルギーとなるのか。日本では30年以上前から代替エネルギーの研究を進めていたが、原子力エネルギーを積極的に進めてしまい、代替エネルギーの研究はほとんどストップしてしまった。諸外国では、日本が研究を怠っていた間に、代替エネルギーの研究をしっかりとやっていたため、技術の進歩では格段の差がついてしまった。

脱原発は、言葉ではよく聞こえるが、それほど簡単ではないのである。安易な選択、目の前だけしか見ない選択をもう一度よく見直す必要がある。

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