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カクレマショウ

やっぴBLOG

手づくりロボット(前編)

2007-12-11 | ■つくってみた
2007年12月8日付け朝日新聞土曜版の「フロントランナー」は、ロボ・ガレージ代表高橋智隆さん。今をときめくロボットクリエイターです。この人の作るロボットは、今までと明らかに違う。柔らかな曲線とアニメチックな顔。動きはごくなめらかで人間っぽい。

初めて高橋さんの作るロボットを見たとき、なんとなくアトムが思い浮かびました。作品の一つ、「ネオン」なんかはさまに「ウラン」ちゃんです。記事を読むと、やっぱり彼の原点はアトムだったようです。別のインタビュー記事では、

ロボットのようなモノは、LEDをピカピカさせた未来っぽいイメージだと、ダサイし落ち着かないんです。例えば、食卓にあるイメージなら、どこかに懐かしさが必要だろうと思うんですね。だから、ロボットのデザインには少しレトロっぽいテイストで、手塚治虫さんが考えていた未来みたいなモノがいまちょうどいいんです、しっくりくるんです。

と語っていました。アンドロイドみたいな「人間に限りなく近いロボット」は、『PLUTO』じゃないけど、やっぱり高橋氏にとっても趣味に合わないのでしょうね。

彼は、アトムをつくった天馬博士にひかれていたそうです。『PLUTO』の今後の展開では、大きなキーを握っていきそうな天馬博士。彼は「電子頭脳」の権威です。高橋氏のロボットは、今のところ遠隔操作で「動かす」ものであり、動きに「愛嬌のあるロボット」をめざしている。いずれは天馬博士のように、優れた「電子頭脳」を持ったロボットにも挑戦してくれるのではと期待します。

それと、高橋さんのキャリアにも引きつけられました。彼は、立命館高校から立命館大学産業社会学部を卒業、釣り具メーカーに就職を目指すが、折しもバブル経済崩壊後の就職氷河期のまっただ中、不採用となる。彼はここで発奮します。幼い頃からの夢だったロボット開発エンジニアをめざし、大学受験をやり直すのです。目指したのは、東大か京大の工学部。ロボット開発をやるなら日本の最高学府で、というわかりやすい目標です。

不採用が分かったその日、不得意だった高校の化学の教科書を夜明け近くまでかかって最後まで読んだ。一通り理解できた。「よし、いけそうだ」

こうして彼は京大工学部物理工学科に1年で再入学することになるのです。「○○をするために」、「この大学に合格する」という明確な意志。それは18歳19歳だけの特権ではないのですね。「意志」さえあれば何歳でだって学ぶことはできるし、「努力」さえできれば、目標に向かってそれを継続することもできる。

実際はそれが難しいんですけどね。いろんな「カベ」が出てきて、そうそううまくいくものではありませんが。

高橋さんは、ロボットを自らデザインし、実家にある自分の工房で一人で作っているのだといいます。

ベンチャーやクリエイターに求められているのは「総合的にいいもの」の開発ではなく、どこか一つ、「突き抜けて優れているもの」をつくること。

それもまた一つの知見です。

さて、「手づくりロボット 後編」では、別の意味の手づくりロボットが登場します…!

 

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