goo blog サービス終了のお知らせ 

カクレマショウ

やっぴBLOG

「ひみつのアッコちゃん」の時代の人権感覚・人権意識

2008-08-04 | └赤塚不二夫
「ひみつのアッコちゃん」は、「おそ松くん」と同じ時期に書かれ、もともと赤塚不二夫が少女漫画家だったことをしのばせる作品です。

「テクマクマヤコン」という変身の呪文は原作にはなく、アニメで登場したものですが、この作品は、やはりアニメでこそ人気が出た作品と言えるでしょう。のちの少女向け「変身もの」の元祖とも言えます。初代アニメの放送は昭和39年(1964年)ですが、その後、多少設定を変えながら、時を経て2回も再アニメ化されている(1988年、1998年)作品は、ほかには見あたらないのではと思います。

私は初代の作品を再放送で見ていましたが、今考えると、けっこう「社会の不幸」をテーマとした作品も多かったような気がします。赤貧の子どもとか、障害を持つ子どもとか、彼らを「かわいそうなお友だち」としてとらえた上で、アッコちゃんがコンパクトを使って「助けてあげる」というパターンの話。今ならそういう描き方はできないと思いますが、当時はそういう時代だったのですね。今で言う「差別用語」もばんばん出てきていた。もちろん、再アニメ化された作品には、おそらくそういう表現は消えていたはずです。これは、当時(初代作品)と比べて、私たちの「人権意識」が高まったことの表れととらえていいのでしょうか。

「そういう描き方は良くない」として表現方法を変えたりすることは簡単にできます。たとえば、たった一人の人間が「それはおかしい」と言えば、すぐに「放送禁止」にすることもできます。それが社会通念であるかどうかは別として、です。しかし、個々人の人権意識とか人権感覚は、そう簡単には変わるものではありません。

そういう表現は「良くない」(からやめよう)という社会通念的な前提があって、「だから」自分もそういう表現はしない、というのは、本当の意味で人権意識が高まったとは言えないでしょう。じゃ、仮に世間が認めれば、どんなに人を傷つける言い方であっても、あなたはそういう表現をするのか、ということにもなります。

いや、何を言いたいかと言えば、赤塚不二夫の作品は、やはり「あの時代」だからこそ受け入れられたのかもしれないということ。昨日書いた「たくましい子どもたち」も、あの頃だからこそ存在できたのかな、と。そう考えたくはないのですが、いろんな意味で変わってしまった今の日本には、そぐわないのかもしれませんね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。