朝日新聞の土曜版「be on Saturday」に、「意外に強い地域の実力」という小さなコーナーがあって、毎回、1都道府県を取り上げて、その「実力」をいろいろな角度から明らかにしてくれています。筆者は地域経済アナリストの藻谷浩介さん。合併前の市町村のほとんどすべてを訪ねたことがあるというだけあって、地域を見る視点の鋭さには毎回感心しています。
平成20年11月8日に、「青森県」が掲載されました。タイトルを見て思わず苦笑。「バブルに踊らず堅実に」。踊らず、というか踊れなかっただけかもしれませんけどね。でも、確かに、青森県はバブルなんて関係なく、よく言えば「地道に」歩んできたとも言えます。毎回、タイトルの横に示される「数字」は「45%」とあります。さて何でしょうか、青森県の「45%」って。
冒頭部分にはこう書かれてありました。
「縄文時代最大級の三内丸山遺跡(青森市)。復元された巨大家屋の中にうずくまると、祖先の見た炉の火照りの記憶が、体の奥底によみがえる。中世には十三湊(とさみなと)が、蝦夷地やアムール川流域相手の交易で繁栄し、城下町の八戸や弘前にも歴史が折り重なる。太宰治、棟方志功、寺山修司、近年ではナンシー関と、個性豊かな人材が輩出してきた。
冷害を克服し、リンゴ、ニンニクなど全国一のブランドを育てた農業県でもある。農家当たり耕地面積は北海道に次ぐ2位、食料自給率118%は4位だ。」
ふむふむ。端的に的確に青森県の特徴をとらえていますね。次に述べられる「工業」に関しては、「バブルにも昨今の輸出景気にも乗れなかった」として、「個人所得」や「有効求人倍率」の低さなど「残念な指標が多い」としています。ま、これも事実です。
そして、次に「45%」の種明かしが来ます。1998年度の「人口当たり課税対象所得額」が、「バブルのピーク90年度」と比べると「45%」も増えていて、これは全国でトップだというのです。おまけに、「小売り販売額」も「11%増」で、これもトップ。8年間で約1.5倍も所得が増えているというのはにわかには信じられない気もしますが、藻谷氏は、その理由を「六ヶ所への原子燃料サイクル基地関連での底上げ、一部農産品のブランド化などが貢献した結果」と見ています。でも、県民のほとんどはその実感がないのではないでしょうか。「1998年度」というのは個人所得が最も多かった年度ということですが、実際、この年と2005年度と比較してみると、個人所得は10%以上のマイナスになっています。もっとも、1998-2005年度の比較では、増加しているのは東京都と沖縄県ぐらいで、全国軒並み落ち込んでいるのですが。
この記事が掲載された後、世界的な金融不況のあおりが青森県にまでやってきて、昨年末から年明けにかけて、県内製造業の企業が次々と「派遣切り」を断行したり、あるいは県内製造業最大手のメーカーが経営破綻に追い込まれたりしています。こうなると、もはや「堅実に」だけでは生き残れないような状況です。イチかバチかの勝負に挑むようなチャレンジ精神にすがるしかないのかも。それは、実は青森県人が実は苦手としているところだったりもするけど。
「経済は苦しいが、人は本当に熱くて面白いこの県。今世紀にこそブレークの予感がする。」という結びの一文は、素直にうれしい。そして、やっぱり最後は「人」が鍵を握っているんだなということを改めて考えさせられます。別に派手に「ブレーク」しなくてもいいけど、ちょっとしたブレークを断続的に生み出していけるような、息の長い県でいられたらと思う。そのためには、次から次へとブレークしてくれる「個性豊かな人材」を継続的に育てていかなければならない、ということになりますか。
平成20年11月8日に、「青森県」が掲載されました。タイトルを見て思わず苦笑。「バブルに踊らず堅実に」。踊らず、というか踊れなかっただけかもしれませんけどね。でも、確かに、青森県はバブルなんて関係なく、よく言えば「地道に」歩んできたとも言えます。毎回、タイトルの横に示される「数字」は「45%」とあります。さて何でしょうか、青森県の「45%」って。
冒頭部分にはこう書かれてありました。
「縄文時代最大級の三内丸山遺跡(青森市)。復元された巨大家屋の中にうずくまると、祖先の見た炉の火照りの記憶が、体の奥底によみがえる。中世には十三湊(とさみなと)が、蝦夷地やアムール川流域相手の交易で繁栄し、城下町の八戸や弘前にも歴史が折り重なる。太宰治、棟方志功、寺山修司、近年ではナンシー関と、個性豊かな人材が輩出してきた。
冷害を克服し、リンゴ、ニンニクなど全国一のブランドを育てた農業県でもある。農家当たり耕地面積は北海道に次ぐ2位、食料自給率118%は4位だ。」
ふむふむ。端的に的確に青森県の特徴をとらえていますね。次に述べられる「工業」に関しては、「バブルにも昨今の輸出景気にも乗れなかった」として、「個人所得」や「有効求人倍率」の低さなど「残念な指標が多い」としています。ま、これも事実です。
そして、次に「45%」の種明かしが来ます。1998年度の「人口当たり課税対象所得額」が、「バブルのピーク90年度」と比べると「45%」も増えていて、これは全国でトップだというのです。おまけに、「小売り販売額」も「11%増」で、これもトップ。8年間で約1.5倍も所得が増えているというのはにわかには信じられない気もしますが、藻谷氏は、その理由を「六ヶ所への原子燃料サイクル基地関連での底上げ、一部農産品のブランド化などが貢献した結果」と見ています。でも、県民のほとんどはその実感がないのではないでしょうか。「1998年度」というのは個人所得が最も多かった年度ということですが、実際、この年と2005年度と比較してみると、個人所得は10%以上のマイナスになっています。もっとも、1998-2005年度の比較では、増加しているのは東京都と沖縄県ぐらいで、全国軒並み落ち込んでいるのですが。
この記事が掲載された後、世界的な金融不況のあおりが青森県にまでやってきて、昨年末から年明けにかけて、県内製造業の企業が次々と「派遣切り」を断行したり、あるいは県内製造業最大手のメーカーが経営破綻に追い込まれたりしています。こうなると、もはや「堅実に」だけでは生き残れないような状況です。イチかバチかの勝負に挑むようなチャレンジ精神にすがるしかないのかも。それは、実は青森県人が実は苦手としているところだったりもするけど。
「経済は苦しいが、人は本当に熱くて面白いこの県。今世紀にこそブレークの予感がする。」という結びの一文は、素直にうれしい。そして、やっぱり最後は「人」が鍵を握っているんだなということを改めて考えさせられます。別に派手に「ブレーク」しなくてもいいけど、ちょっとしたブレークを断続的に生み出していけるような、息の長い県でいられたらと思う。そのためには、次から次へとブレークしてくれる「個性豊かな人材」を継続的に育てていかなければならない、ということになりますか。
で…思うこと。「青森の食べ物って美味しい!」
農産物だけじゃないんですよ。
加工品も美味しいんです。
岩木屋の「りんごカレールー」
上北農産加工の「しおだれ」
かねさの「ひぃふぅ味噌汁」
その他もろもろ(お土産にするととても喜ばれる)
自分のブログで「勝手に物産展」とかやっちゃおうかなぁ~なんて思うくらい。
うちのダンナ殿は上海で市場調査などしているのですが、結局青森県人は「売り方が下手」なんだそうです。
そして…実は上の方々(お役人)がやる気ナシ。
どうしたもんでしょうね?
「青森県人は売り方が下手」。確かにそうですな。宣伝も下手だしね。自分たちのいいところをわかってもらう術(すべ)をよくわかっていない。
でも、最近の青森県はちょっと変わってきてるかも。知事のトップセールスはもちろんですが、県庁主導で、あの手この手で売り出す努力はしています。農作物でも加工品でも、「付加価値」の付け方が上手になってきたと思います。だけど、いつまでも県庁主導じゃいかんのですよ!
中国人のような「たくましさ」にはまだまだ及ばないのでしょうね。