カクレマショウ

やっぴBLOG

青森の食材・料理は青森でこそ。

2007-02-01 | ■青森県
今日の日経新聞に、「首都圏1000人調査」として、「東北の食材・名物料理で思いつくもの」を23項目の中から選択してもらった結果が載っていました。

1位から3位までは、7割以上の人が選んでいます。1位は秋田のきりたんぽ鍋。ふぅ~ん。2位は仙台の牛タン。なるほど。3位は福島の喜多方ラーメンか。今や全国区ラーメンだもんね。
以下、4位が山形の米沢牛、5位は岩手のわんこそば。ここまでは6割以上をキープ。

6位以下になると、とたんに選ぶ人が減って、50%以下になってしまいます。6位前沢牛(岩手)、7位盛岡冷麺(岩手)、8位ずんだもち(宮城・山形)、9位稲庭うどん(秋田)、10位比内地鶏(秋田)。稲庭うどんなんかはテレビの料理番組でもよく取り上げられていると思うのですが、意外です。岩手は、さすがにわんこそば、冷麺と、麺類2種類がランクイン。もう一つ、盛岡名物のじゃじゃ麺は今ひとつの知名度か。私は盛岡三大麺の中では一番好きですが。

それにしても。

青森の食べ物がベスト10にゼロというのはどう考えたらいいのか? このシリーズで以前実施した「これから行きたい観光地」とか「祭り・イベント」では圧倒的な強みを見せた青森県ですが、食材・料理のアピール度では全く不振。記事にあったように、「ホタテやホヤなど海産物に恵まれる青森県だが、料理の面ではまだPR不足のようだ」ということなのでしょうか。それだけ「隠れた名品」がたくさんあって、それは首都圏では知られていないかもしれないけど、青森に来ればたんといただける…ということも言えるのかも。津軽の「けの汁」とか「じゃっぱ汁」、「貝焼き味噌」、南部の「せんべい汁」、「かっけ」、「ひっつみ」、「いちご煮」、下北の「けいらん」とか、地元の人は誰でも知ってるけど、県外の人にはほとんど知られてないですからね。というより、同じ県内でも津軽と南部ではお互い全然知らない料理も多いし。

たとえば、せんべい汁とか「かっけ」なんかは、津軽の人はほとんど食べたことも見たこともない。せんべい汁は、地元に「八戸せんべい汁研究所」という冗談みたいな団体があって、ものすごい勢いで全国にせんべい汁を売り込み中なのですが、津軽の人はまず関心がない。同研究所では、トリオ☆ザ☆ポンチョスというグループを結成して、「好きだDear!!八戸せんべい汁」という歌をCD化、振付つきでメジャーデビューも果たしているというのに。ま、それはそれでいいんですけど。あ、せんべい汁がどういう食べ物か知りたい人は、こちらの「汁``研」ホームページをご覧ください☆。

漫画「美味しんぼ」で、「日本全県味巡り」シリーズが展開されていて、原作者の雁屋哲さんが青森でも取材をしたそうです。取材した食材・料理は、たとえば南部地方では、「そばはっと」とか食用菊、きんかもち、ジュネなど、そのあまりにも超マイナーさに驚きました。さすがに目のつけどころが違うというか。

また、東京のレストラン「キハチ」で知られるカリスマシェフ熊谷喜八氏が青森の食材を使った料理を紹介する『KIHACHI 青森の四季を料理する』というレシピ本がこの2月10日に出版されるのだとか。これに合わせて、全国キハチ15店舗で青森県産品を使った料理フェアを1ヶ月にわたって展開するのだそうです。

県も、数年前に新設した総合販売戦略課という課を中心に、県産品の「全国アピール」に積極的に取り組んでいます。素材は確かなのですから、あとは「売り込み」の工夫なのですね。PR不足、アピールが下手って青森県民の欠点としてよく言われますが、もともと外に向かって売り込むのは性に合わないのかもしれない。それなら無理してアピールすることもないのかなとも思いますが、経済的な事情も考えれば、「売れる」に超したことはないわけで。

でも、本当に青森のおいしいものを食べたいと思ったら、青森まで出かけてくるべきだ、という気持ちもありますね。

 

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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-03-01 00:10:15
PRが下手なんじゃなく
売り物(食材)が大したことないだけなんじゃないですか?
自分も青森の生まれで、今は県外に暮らしていますが、青森の食べ物が他の地方に比べて特別美味しいとは思えません。
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目の付けどころ (中野一人)
2009-03-01 10:44:47
色々な事を見聞き体験する事が出来る立場に居ても、実際に商売やモノの動きに携わらない限り本質に触れる事は出来ない、と感じます。
とある独立行政法人さんが地方産品の海外輸出の可能性と実例についてセミナーを開催していますが、遠まわしに優しく語っているので役人の皆さんは誰も気が付いていません。

素材だけでは誰も見向きもしない

と言う事を。
確立された味とブランドがポイントなのです。
材料は二の次なんです。
バレンタインデー、ブラジルのどこで採れたカカオ豆で作りましたと言う話は出ませんよね。どこのお店が作ったチョコと言う話でもちきりですよね。
青森には、確かにそれだけで充分美味しい食材にあふれていますが、それを使った何かがない限り、次のステップには進めないでしょう。
役人が補助すべきはPRではなく、県産品を使った何かを開発する事と、それを生み出せる県内企業の補助育成なんです。
PRなんてのは消費者が勝手にやってくれるのです。
無駄なお金を使わないでほしい、と常に思っているのです。
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>中野一人様 (やっぴ)
2009-03-01 23:47:54
民間企業の方、行政の方、消費者の方、いずれも基本的にはそれぞれの「立場」でしか仕事ができないし、モノも言えないのだと考えています。お互いに批判するばかりでは、何ごともいい方向には進まないのではないでしょうか。立場の違いを乗り越えて、うまく「連携」とか「協働」している例もたくさんありますね。

青森県が力を入れているのは、PRだけではなく、「県産品を使った何かを開発する事と、それを生み出せる県内企業の補助育成」もちゃんとやっています。「役人が補助すべきはPRではなく」という点は、どうでしょうか?本当に、「PRなんてのは消費者が勝手にやってくれる」ものでしょうか? それほど消費者は都合よくPRしてくれるものでしょうか。自分も含めて、けっこう「踊らされている」部分もあるような気がします。

「無駄なお金」! 行政批判には必ずその言葉が出てきますが、もちろん税金=公金に無駄な使い道があってはなりません。ただ、何が「無駄」で何が「無駄でない」のか、そのとらえ方は「立場」によって様々だということだと思いますが。
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と、するならば (中野一人)
2009-03-02 09:43:05
連携や協働と言う言葉を使わなくてはならないほど、両者の関係は断絶されていると理解できないでしょうか?または、そう言う言葉を使ってでも、民の領域に進出したいと言う事でしょうか?
もともと公的組織は社会の奉仕者として影の形で、民と民の間を取り持つ活動が主である物です。それが「おれがおれが」と出てくるからおかしくなる。
この商品を売り込みたいのだが誰に相談をしたら良いだろうと言う問いに、どこどこの誰にお願いすると良いでしょう、私が間に入りますならまだしも、私が行って売り込んできます、は違いますよね。

県が加工品もPRしていると言いますが、一般の人間はマスコミの報道しか知り得ません。こういう取り組みは県報にも掲載されていませんしね(笑
報道機関が連日伝えるのは「長いも」「リンゴ」「ホタテ」を知事がはっぴを着てPRした、だけなんですよ。加工品のかの字も出てこない。
ちなみに、ブログで書かれているきりたんぽ鍋、売り込みに力を入れているのは業者であり、それを食した消費者、リピーターとその評判を基にカタログを作る業者の所為によるものです。
つまり、本当に美味しいものであれば、ある程度の仕掛けで勝手に客が付いてくるのです。
県が自称がんばっていると言うのは、野に行く通行人に誰それかまわず売り込む事ばかりで明確なターゲットが定まっておりません。これは業界的には明後日の方向に向いていると言う事で、自己満足の世界にすぎません。
市場分析、物流と広告、もっとこの分野を押さえないと効率良い販売はできません。

そして、これらの活動ってのは役所のする事ですか?
知事が動けはいくらの費用がかかりますか?それでリンゴがひと箱売れても、非常に効率が悪すぎる。トップが自ら動くと言う積極性も必要かもしれませんが、もっとコスト意識を払ってほしいと思わずにいられません。
特に今の時期、予算編成を見てみれば。

最後に、私はそういった意味で、総販は無駄の極致と思っています。
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