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カクレマショウ

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「町中華」を探そう。

2016-03-04 | ■食べ物

こういう店を「町中華」っていうんだそうですね。先日の朝日新聞(2016年2月23日付け)に載っていました。「町中華探検隊」を率いるライターの北尾トロさんによると、「町中華」の定義は「昭和以前に開業し、千円以内で満腹になれる庶民的な中華店。ラーメンに特化した専門店と異なり、麺類、飯類、定食など多彩なメニューを提供している」店ということです。

わかるわかる! そういう店はどんな町にも1軒くらいはありますよね。私が大学時代を過ごした下北沢にもそういう店はたくさんあって、ずいぶんお世話になりました。町中華って、店に入ってから注文を決めるのにすごく迷ったりしますよね。今日はカツ丼!とかチャーハン!とか心を決めて入ったとしても、いざ壁にずらりと貼ってあるメニューを見ると、微妙に心が動いてしまうんです…。で、カツ丼だったはずが、ついレバニラ定食を頼んでしまったりするわけです。

そういえば、先日見た「タモリの世にも奇妙な物語」で、和田アキ子扮するサラリーマンが、とある寂れた町の食堂で、壁のメニューを左から順番にすべて頼んで完食していくというドラマ(「ハイ・ヌーン」)がありました。親子丼に始まって、丼物から麺類、定食と、無表情に黙々と平らげていく彼に、たまたま居合わせた客たちも魅入られていく。しまいには噂を聞きつけた町の人たちも集まってきて、彼のテーブルを取り囲んで声援を送るようになる。そして…。

このドラマの舞台がまさに絵に描いたような「町中華」。寺島進演じる亭主は、やる気があるんだかないんだか、客の注文に応じて淡々と料理を作り、妻がそれを給仕する。でも、このサラリーマンのおかげで、亭主は俄然生気を取り戻していき、全メニューを完食した時には感極まってサラリーマンの手を取って、「ありがとう! こんなにうれしいことはない!」と叫ぶのです。これにはちょっと違和感もあったけど。町中華の亭主は、愛想があるに越したことはないにしろ、別に無愛想でもいいんです。

ドラマで思い出しましたが、「ふぞろいの林檎たち2」にも町中華が出てきました。中井貴一演じる仲手川良雄が入社した運送会社の近くにある食堂。そこに上司の相馬課長(室田日出男)に連れられていった良雄が、課長と同じ「スタミナ丼」を注文すると、課長から「俺がスタミナ丼って言えば、お前もスタミナ丼か!」と理不尽な叱られ方をする。「自分の考えで行動しろ」ということを言いたかったのでしょうが、それが理解できずに反発するわけです。あのシーンは、何度もビデオで見たせいか、鮮明に覚えています。原ひさ子演じる少し耳の遠い食堂のおばあちゃん役もよかったなあ。

村尾トロさん曰く、町中華の魅力は「おいしすぎないところ」だというのが面白い。本当においしい中華料理を食べたかったら専門店に行けばいいわけで、町中華は普通に「なんでもあり」だからこそ楽しいのです。タンメンも作れるし、カツ丼も中華丼もスタミナ丼も作れる。唐揚げ定食もいいね。カレーだって、なんか懐かしい味するし。

そんな町中華に行きたくなってきました。


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