カクレマショウ

やっぴBLOG

秋田に帰ったギバちゃん

2007-01-09 | ■青森県
俳優の柳葉敏郎さん(45歳)は、秋田県大仙市刈和野地区出身。昨年3月、奥さんと6歳の娘さんを連れて刈和野に戻ってきました。娘さんの小学校入学に合わせて、念願だったUターンを果たしたのだと言います。

元旦の朝日新聞秋田版のインタビューで柳葉さんはこんなことを言っています。

「(東京は)便利すぎますよね。もしかしたら創造性を養っていけないんじゃないかな。衣食住、遊び、学習などモノがあり余っている。子どもはどこかで我慢したり、耐えてみたり、ときにはつらい思いを味わってみる。子どもには人間がつくったモノではなく、自然にそこにあるモノから感じてもらいたいですね」

子どものため、とおっしゃっていますが、このインタビューを読んで、故郷に戻ってきたのは実は柳葉さん自身のためなのかもしれないと思いました。「一世風靡セピア」に始まって、俳優として揺るぎないキャラクターを確立してきた柳葉さんですが、華々しい芸能界の中で、もしかしたら自分の居場所はここじゃない、と思っていたのかも。…カンペキ勝手な想像ですけど。

柳葉さんは、秋田県の人に対して、「もっと外に目を向ける」ことをさかんに説きます。「若い人は一回、秋田を出て欲しい。地元のアピールという責任じゃなくて、外の良いところを見つけて欲しい。秋田にないモノだっていっぱいありますから。それを見て、感じて欲しい。そして秋田の良さを改めて感じたら、絶対戻って来たくなりますよ、僕みたいにね」。

こういう話、子どもたちにじかに聞いてほしいと思う。彼は、故郷に戻ってきて、「俳優柳葉敏郎としてなんて誰一人見てないですよ」と言いますが、ぜひそこだけは「俳優・柳葉敏郎」として語ってほしい。東京で成功し、いろんな「外の世界」を見てきた人だけに語れるものがまだまだたくさんあるはずですから。

ところで、地元新聞の新年特集で、ふるさとが好きで、地元に残りたいけど仕事がないから仕方なく東京や仙台に出ていく、いったん県外に出てしまうと戻りたくても戻れなくなる、といった県外への人材流出の話題がまたぞろ出ています。いったん「外に出る」というのは、私も賛成ですが、では「一度外に出て戻る」つまり「Uターン」を可能とするためには、青森県はどんな青森県であればいいのでしょうか? 仕事がある、仕事を選べる、遊ぶところがたくさんある、生活が便利、いろんなキーワードが出てきそうです。

何を取って、どこを削るか。そんな重要な選択を今、「地方」は迫られているような気がします。便利さや華やかさといった価値観だけを優先していけば、結局は都会と同じことになってしまいます。都会ではないけど、限りなく都会に近い。そんなの一番つまらない。ましてや、そんな「ふるさと」に誰が戻りたいと思うでしょうか。

柳葉さんの場合は、子育ては自然の中でとか、自分自身がほっとするためだけに故郷に戻れる数少ない例だと思います。みんながみんな、経済的な余力があるとか、仕事だけは東京に置いてくるという離れ業ができる訳ではありません。ギバちゃんのように、功成り名遂げた人だけでなく、「フツウ」の人がいつでも戻って来たくなるような、そして彼らをすんなり受け入れて、いろんな価値観を包み込んでくれるようなふるさと。そんなふるさとづくりができたら最高ですね。

いやー、しかし、それにしても。近所にギバちゃんが住んでいるのって少しうらやましい。なんつったって、「室井慎次」ですから~!

 

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