無知の知

ほたるぶくろの日記

日本とはなにか

2010-01-30 23:44:55 | 日記

内田樹さんの『日本辺境論』を最近読んでいました。先日書店で見かけ、これは外せない本だ、と直観し手にとりました。

丸山眞男さん、岸田秀さんの「日本」あるいは「日本人」についての優れた分析、養老孟司さんの日本人の脳の使いかたに関しての「マンガ脳」という仮説。それから武道、禅家における「機」。これらを土台に内田さんは確実に一歩踏み出した「日本文化論」を展開しています。「辺境人であること」、そこにおいて私たちはどんな「利」を得てきたのか。徹底して辺境人であることにポジティブな意味を見出す(それが目的、となってしまうことは著者の意図するところとは違います)試みは成功しているとおもいます。様々の新しいアイディアが示されているので久しぶりにワクワクしてしまいました。かなり触発されました。
批判、つっこみもありますが、それよりもさらに前向きに深化(進化)させて行きたい課題を頂きました。いま一度じっくりと読み返し、まとめたいとおもいます。内田樹さんに感謝いたします。
忘れないように、その課題をひとつだけ書いておきます。「「機」はつまり、カンナガラなのではないか」


12月のこと

2010-01-28 23:38:14 | 日記

今日は湿度も程よくあって、本当に暖かな日でした。朝起きてすぐに湿度が高いことがわかりました。このところ暖かいので木の芽がぐっと膨らんできているのもわかります。春だなぁ、とおもいます。

昨年12月はなぜか体調が今ひとつで仕事の進み具合もはかばかしくありませんでした。そうこうしておりますと、主人の親戚の方がまだ40代の若さでがんが発見され、しかももう末期であることがわかったと年末になって連絡がありました。12月の初めにわかったそうです。そうしてもう年を越せないかもしれない、ということでした。本当に急なことで、思いもかけないできごとでした。なんとなく、そのときになぜこんなにも体調がすぐれなかったのかわかった気がしました。

結局その方はお正月を迎えられたのですが、先日ついに旅立たれました。12月はその方や家族にとって、また主人の家系にとって大変辛い1ヶ月であったのだとおもいます。

今年になって、その方のことを想うことがしばしばあります。ご家族の方はまだまだ落ち着かない日々をお過ごしのことでしょう。なんとか皆さん悲しみから抜け出して、強く生き抜いて頂きたいとおもいます。


何物かのエナジー

2010-01-27 23:24:55 | 日記

10代の頃ずいぶん笛をやっていた時がありました。そのときにいつも笛の音を聴きながら長いものがくねくねと空を漂う風景を頭に想い描いていました。想像の世界を絵に描くという課題が美術の授業であったとき、私は迷わずこれを描きました。美術の先生はまったく理解してくれませんでしたが(笑)私にとっては、この世が目に見えない「長い繋がり」=「長物」で構成されている、はとてもしっくりときます。

最近知ったのですが、三島由紀夫氏は『豊饒の海』で三輪山の磐座を描写しているのですね。本来はむやみに語ることも禁じられているそうですが。


超音波検査について

2010-01-26 23:54:46 | 生命科学

超音波による胎児診断の危険性について少々調べました。
まず、エール大学の論文
「Prenatal exposure to ultrasound waves impacts neuronal migration in mice」
Ang, Jr E.S.B. et al. PNAS 103:12903-12910, 2006
ですが、ここでのべられているのはマウス胎児への「過剰な」超音波照射が脳細胞の正常な移動行動を遅延あるいはかく乱させた、ということです。

この論文が生まれた背景には、USAでの頻繁な医療目的ではない胎児の撮像(記念撮影のようなもの)があったようです。これらの撮像は医療目的でないことから経験の少ないスタッフ(ときには一般人)によって行われることがしばしばで、撮像には時間のかかることもあったようです。2004年にはFDAが基準勧告をしていますが、それにもかかわらず超音波による胎児の記念撮影はひろがるばかりであったようです。そのような状況があって、この研究がなされたようです。

論文にある超音波の照射条件が臨床で使われている条件と比較してどのくらいのものであるのか私には判断がつきません。人で使われているレベルと書いてありますが、はるかに強い条件だという意見もあります。ともあれ、この論文は胎児への不必要な超音波の照射は止めるべきである、という主張の根拠となる論文として重要な意味をもっていると思われます。

ところで日本ではこのようなUSAでの動きに対し、日本産科婦人科ME学会が「マウスの脳に対する超音波の影響に関する報道について」という声明を出しています。その声明は「不必要に長時間に及ぶ超音波検査(特に胎児の脳に対して)、診断目的以外(いわゆる"entertainment")の使用は、できるだけ避けることが望ましいと考えます。」で結ばれています。
最近は日本でも3Dの画像などを「記念に」作ってくれる産婦人科などもあったりするようで、確かに憂慮するべき状況にはあるようです。いま一度、超音波診断の危険性についても考慮し、節度のある使用をされることが望まれるとおもいます。

今回、私が調べた限りではいわゆる「キレる子供」との関連については文献を見出せませんでした。もちろん、現在研究されている方もいるのかもしれません。しかし、上記の論文から推察するに、安易に結びつけるのは早計かとおもいます。そもそも、「キレる子供」とはどういう子供であるのか。感覚的にはなんとなくわかるのですが、詳細に調べるためにはもう少し厳密な定義が必要です。そしてそのような子供たちに関する、家系的調査、発生、周産期、生育環境、現在の状況(栄養状態を含め)などのデータが集められ、解析される必要があると思います。時期的に符合するということのみで、直接の関連性を疑うのはいささか乱暴な議論かとおもいます。また、この件に関しましては新たな情報が得られましたらお知らせしたいとおもいます。


心の道場

2010-01-25 23:37:08 | 日記

心の安定は余裕をもたらし、状況を見切る眼を養ってくれます。それはもつれた人間関係をほぐすきっかけを見出すことにつながると思います。現実を静かに見つめることが、よりよく生きる基本なのだと改めておもいます。

腹(肚)というのも不思議なものです。力的な中枢。「てこ」の支点のようなものでしょうか。それならいかにも肚は座っていないといけませんね。支点が定まらない「てこ」は危険です。

この世は心の武道の道場なのでしょうか。なるほどときには多少あちこちを痛めることもありましょうが、そのうち上達すれば受け身もうまくなりましょう。

それでは明日もまた元気にお稽古をいたしましょうか。