無知の知

ほたるぶくろの日記

眩しいときは要注意

2017-05-28 10:21:20 | 日記

最近日が高くなってきて、眩しいと感じることが多いです。ああ、夏が近づいてきてるからな〜と思うわけですが、ちょっと待った。以前と比べて眩しさを感じる度合いが違うのです。

そのくせ暗くなるととたんにものがよく見えない。鳥になったのか?と思うほど。

最近学生時代の友人と食事をしていると、「眩しいよね〜」と皆口々に言います。あら、やっぱり?なんて言うことで、どうもこれは老化の一種かも。

虹彩と言うのは先日目の色の話しをしたときに筋肉と色素を含むその他の細胞でできている、と書きました。そしてどうもその虹彩の働きが悪くなっているらしい。筋力が衰えるのか、調節能力が落ちるのか、老眼は水晶体の弾力性低下と調節筋の衰えなので、やはり筋力でしょうか。

ともかく虹彩が働かないと、目の中に入る光の量を調節できないということです。なるほどそれで夜は見えないし、昼間は眩しすぎる、ワケですね。

白内障が起こるのも、この眩しさを放置しておくことから起こるのかもしれません。これから陽射しの中に行くときは、サングラスか日傘がマストアイテムです。私は今のところ日傘ですが、人の多いところでは迷惑なので、眼鏡を作ることにします。


疑似科学を巡る状況について

2017-05-13 20:43:47 | 日記

以前から感じていることなのですが、「疑似科学」にはもちろん困惑しますが、それに対抗する方々の文章にもしばしば困惑します。罵倒に相当する言葉も多く、そのような言葉を使わなくとも、淡々と証拠が足りないこと、考え方のバリエーションに偏りがあること(他の可能性を敢えて無視する)、などを指摘することが重要だと思います。

さて、疑似科学です。少し私の思うところを整理させて頂きます。

疑似科学の重要なポイントは「えっ?」と思うような意外性。そして反現代科学。この二つの傾向は大体どれも同じです。疑似科学のサイトに書かれている学説の歴史は大概似たようなストーリーが多く、次のようなものです。

「ある現象に関して、意外性のある仮説を「科学者」や「医者」が世に問うたが、学会には無視された。または否定された。その場合、論争の期間を経て、その科学者は学術界で抹殺され学説もお蔵入りしてしまった。」

おそらくその学説の支持者は

「ところが長い時を経て、その方の仮説がまた再評価され、仮説の先見性が見直された」

という経過を「信じている」のだと思います。

実際、学説が問われた時代の学会では、その学説は全く理解されなかったがその後大変に優れたものであった、という事例は沢山あります。学問の世界にも流行があって、その流行から外れた分野は研究費にも困る、という事情はあります。国を揚げて「○○研究」を支援、などとなりますと、その傾向はますます強くなります。

したがって、現在「疑似科学」とされている学説でも、そのうちには日の目を見るに違いない。という予想はあってもおかしくありません。

「疑似科学」の支持者の主張には「その分野の学術界から何の反論もない。」とありますが、科学的仮説は「実証」が全て。きちんとした「実験」がなされて初めてその仮説の真偽があきらかになります。それまでは「可能性」は「可能性」として残されているわけであり、否定も肯定もできない、というのが「良心的な科学者」の態度だと思います。

ではなぜ誰も実験をしないのか?現代においてその仮説を実証するための実験に予算をつけるかどうか、です。科学予算が限られている限り、取捨選択されるわけで、予算がつくかどうかはその時代の要請とも無関係ではないのです。

理論的な「仮説」は殆ど資金無しで行えますが、「実証」のためにはかなりの予算が必要です。その予算の原資は日本の場合殆ど国家財政です。欧米のような大きな個人的財団は少ないですから。したがって「仮説」は時がくるまで「仮説」として残しておくよりほかはありません。あるいはファンドレイジングなどで研究予算を確保して「実証」を試みることも選択肢の一つでしょう。

ただ、いくつかある「疑似科学」でも「医療」に関するものについては、実際に安易に人に応用されて大変な結果につながることもあります。「信じる」前によくよく検討されるべきだと思います。

また、ある学説を支持する方々が宣伝に使っている「説明文」にはかなり危うい部分もあります。学術界からの警告があっても良さそうなのですが、学者の立場からしてみると、反論に費やす労力がない、ということでしょう。反「疑似科学」の方々はそういう意味ではボランティア精神の旺盛な方々であり、頭が下がります。

そんな方達にさらなるお願いをするのは心苦しいのですが、説明をもう少し丁寧に行って頂ければ「疑似科学」の犠牲者ももう少し減るのではないかと思う次第です。

 

 

 


第4の治療法

2017-05-04 16:30:26 | 生命科学

大分前に発表され、何度か記事にしようとおもいつつ今になってしまいました。

昨年12月25日朝日新聞に掲載された記事です。以下転載します。

「第4のがん治療法「免疫」、学会推奨は6種類 指針作成

熊井洋美

手術、抗がん剤、放射線に次ぐ第4の治療法ともいわれる「がん免疫療法」の指針を、日本臨床腫瘍(しゅよう)学会がまとめた。主要な18種類のがんのうち、現時点で「推奨される」免疫療法があるのは肺がんや血液がん、腎細胞がんなど6種類としている。
 同学会は、がん治療の専門医らでつくる。オプジーボなど「免疫チェックポイント阻害剤」という新しいタイプの薬が登場したことを受け、免疫療法を適正に実施するために指針を作成。国内外の論文などをもとにした。
 指針では、血液がんの一部、肺がんの一部、頭頸部(とうけいぶ)がん、腎細胞がん、皮膚がんの一部の計5種類のがんで同阻害剤を勧めている。内訳は、オプジーボが5種類すべて、キイトルーダが肺がんの一部と皮膚がんの一部、ヤーボイが皮膚がんの一部。
 膀胱(ぼうこう)がんの一部では、結核菌の毒性を弱めたBCGを膀胱内に注入する治療が「推奨される」とした。
 この6種類での免疫療法は、いずれも薬が国の承認済みか承認申請中となっている。
 一方、食道がんや胃がん、大腸がん、肝がん、乳がんなど12種類については「推奨される免疫療法はない」と明記した。ただ、新たな研究結果が出れば、指針を見直すという。 (以下 省略)」

とうとう免疫治療が学会で正式に推奨されるところまで来ました。やはりTreg細胞の発見が決定的であったと言わざるをえません。ただし、オプジーボでの副作用はアレルギーや自己免疫疾患を悪化させるものであるため、使い方は慎重であるべきです。

しかしながら、免疫系がこんなにもがんの病状に深くかかわっていることが広く認められたことは喜ぶべきことです。今後もますますこの領域の研究が深まり、副作用のメカニズムが明らかにされることを願っています。

この場合の副作用=自己免疫疾患の発症メカニズムでもあります。このことは大変に大きいことです。殆どの難病が自己免疫疾患であることを考えると、この意義の深さを分かって頂けると思います。

心を癒すことががん治療の一環でもあることが半分は証明されたことにもなります。楽しむこと。リラックスすることは確実にがんの発症、進展を抑制します。