無知の知

ほたるぶくろの日記

気の毒なかたのことなど

2010-01-24 22:30:27 | 日記

最近、日本神経科学学会のHPに「「ヒト脳機能の非侵襲的研究」*の倫理問題等に関する指針改訂にあたっての声明」がアップされたことが話題になりました。いわゆる「神経神話」(右脳・左脳論、3歳児神話、ゲーム脳、脳トレ)などに対する警鐘のようです。MRIの解像度が上がったことなど非侵襲的解析装置の技術発達によって、画像データが得やすくなったという背景があります。
問題は安易なデータの解釈にあります。証明が不十分なまま、仮説程度(時にはそれ以下)のデータ解釈を「科学的に証明された真実」のように宣伝し、医療や教育に次々と応用しています。とくに発達過程にある子供さんへの応用は慎重に検討されるほうがいいと思います。

話は変わってずいぶん前のことですが、朝の混雑した電車でちょっとしたトラブルから若い女性同士が殴り合うシーンを目撃したことがあります。周りの男性は思わず目を伏せて引いていました(笑)

そういえばこれも朝の通勤電車の中でのことですが、足を払われたことがあります。その男性は恋人と思しき女性と一緒で、その女性には大変優しく振る舞っていました。その一方で他人に対しては全く思いやりのない行動をとっていたわけです。その男性の顔をしげしげと眺めますと、その方はなんと「ふふん」といった表情でした。得意そうにしていたのです。何かとんでもなく自分の立場や行いに対して誤解をしておられるようだ、とびっくりしたものです。そのときは無茶苦茶腹が立ちました。しかし、それを相手が望んでいることがわかったので、素知らぬ振りをしたものです。

自分の「幸せ」は他人の不幸によってさらに引き立てられる、と考えているその方の「幸せ」は、おそらく常に相対的な「幸せ」なのだと思います。他人に比べて自分は・・・という例のやつです。相対的な「幸せ」はきりのない欲望です。決して満足や安心にはつながらない「幸せ」。大いなる誤解をされている気の毒な方でした。