無知の知

ほたるぶくろの日記

梅雨入りしてもう台風!

2011-05-28 15:52:00 | 日記

はや、東京は梅雨入りしました。平年より12日早いそうです。前線が南にあれば4月の空気。北にあれば夏の空気。それを繰り返しながら梅雨前線は日本付近に居座ります。梅雨の少し前の時期は結構気温差があるものです。しかし、今年の気温差は尋常じゃありませんでした。そして猛烈な台風2号の接近。アメリカでの大規模な竜巻。地球上の気候が荒れ始めているのでしょうか。私たちの地球への想いがどのくらいであるか、これから試されます。

ところで先ほどC8以上の小規模太陽フレアがあったようです。ちょうど地球側を向き始めた東端の黒点でのフレアのようです。これはこれからしばらく警戒しないといけません。今回のフレアは横向きだったので、地球方向へのガスの吹き出しはあまり影響はないかもしれませんが、今後はこちらを向きます。活発な状況が続くのかどうか、注意して見守りたいと思います。

相変わらず、暇ができますと放射線関係の資料に目を通しています。とくに内部被爆に関する資料を中心に調べています。自分の考えをまとめるつもりでつらつらと書いていきますと、問題点は(1)内部被爆線量の推定方法の妥当性(実測はそうそう簡単にできるものではありません)(2)低線量被ばくの効果(3)急性症状と晩発性症状(とくに発がん率についてのみが考えられているが、実はそれだけではない)

これらの問題点が錯綜としていて、しばしば議論がかみ合っていなかったりしています。今のところ高い放射能レベルをもった線源からの直接的な高線量被ばく、それによる急性症状に関しては原発内で仕事をされている方以外は考える必要はありません。つまり髪の毛が抜けたり、吐き気がしたり、下痢をしたり、気を失ったり、貧血になったりすることはありません。また、125I(放射性ヨウ素)はかなり減っていますので、甲状腺がんについてももうあれこれ考える時期は過ぎました。先日も書きましたが、これからは134,137Cs(放射性セシウム)とSr(放射性ストロンチウム)を含んだ降下物の土中へのしみ込み、河川、海への流れ込みによる水生生物中への濃縮などについて考えていかなくてはいけません。巷にはものすごい高率の濃縮がおこるといわれている方がいましたが、その根拠となる文献を調べてみますと実はきちんとしたデータではありませんでした。この点についての正しい評価についても文献を調べているところです。

これからの問題は上記の(1)と(2)です。(3)の晩発性症状も関連してきます。私は発がんのリスクよりも老化促進のリスクの方がより重要なのではないかと考えます。その根拠についてはまた改めて書いていきます。


忸怩たるおもい

2011-05-25 00:37:01 | 日記

土曜日の朝、東京は揺れました。Seismic monitorをみていても、昨今は太平洋プレートの周囲に地震が頻発しています。それにしても日本付近での地震の多さは突出しています。特異な土地なのだと改めておもいます。

このような島国に原発が54基もあるということは、今さらながら恐るべきことです。

電気エネルギーの生産と利用についてはまだ無駄が多いです。まずは送電に関わる無駄。それから熱エネルギーを電気エネルギーに転換する時点での無駄。技術的な改善をすれば効率化できるはずです。これまで、原子力発電は『安い』からと他のシステムを進化させることをやめ、補助金を原発設置地域に配って原発を増やしてきたのでした。それの方が安上がり=経済的であるからです。これは世界的な方向でもあったと思います。しかし、本当に原子力が『安い』のか?原発から出てくる放射性廃棄物の処理に一体どのくらいの予算を見積もっているのでしょうか?あるいは、まさかコスト計算に入っていないとか?

ともかく『経済的』『安上がり』=『良い』という価値観をいま一度見直すべきだと思います。ものの生産に関してもそうです。安ければよいのでしょうか?

先日、日本の科学系34学会が共同で福島原発事故に関して意見表明をしました。その中には私の属する学会もあったので驚いたのですが(学会の名前で出された意見表明なのにもかかわらず、末端の学会員には何の連絡もない)、その内容に(無いよう)もっと驚きました。物理学会や天文学会の方々はかなりこのことについて活発な議論をされています。学者としての覚悟を感じることができ、大変頼もしく、うれしく思います。その一方で、自分を含むわれわれ生命科学系の学会員は一体何をしているのか。あるいは何ができて何ができないと思っているのか。よく考えていかなくてはなりません。


静かな太陽

2011-05-18 00:44:43 | 日記
太陽が鎮まっているようです。黒点はあるのですが、小規模なフレア活動しかみられません。静かな太陽に感謝いたします。氏神様では、お神楽の練習が始まりました。例大祭は6月の始めです。

こうして少しずついつもの生活が行われているのですが、相変わらず福島から入ってくる情報は不穏なものがあり、すっかり力を抜くわけにはいかないと感じています。農水省はひまわりや菜種をつかった土壌中の放射性物質除去能の確認を始める、という報道を目にしました。(ただし、農水省のHPでは確認できませんでした)また、3号機の様子も予断を許さないものだと思います。原子炉の温度はまだ不安定です。なにかあったらすぐに書いていきます。
神田外語大の先生が分かりやすい比喩を駆使して、原発と放射能につていて解説してくださっています(こちら)。参考になさってください。

これからはセシウム

2011-05-14 02:06:20 | 生命科学

今日の記事の論文は、私も昨年の4月に、このNatureの記事が出たときに紹介しました(こちら)。あの時は、まさか一年後にこういう事態になっているとは想像だにしていませんでした。私が興味深いと思ったのは、食習慣において必要だと思われる遺伝子を、海藻と一緒に摂取された海洋細菌から腸内細菌が拝借し維持していた、という点でした。つまり遺伝子の水平伝播(縦の伝播=いわゆる親から子への遺伝に対し、個体から個体への遺伝子伝播のことを指す)が腸内で起きていて、しかもそれが安定的に維持されている、ということが驚きであったわけです。このような遺伝子の水平伝播がどのくらいの頻度で、どのように行われるのかは非常に興味深いところです。進化に影響しているとも考えられるからです。

善玉の腸内細菌を増やしていくと、そこから何らかの遺伝子をいただけるのかもしれません。そして、その遺伝子が腸内の粘膜細胞だけではなく、生殖系列の細胞にも入っていきますと、それは子々孫々に伝わることになります。こうして少しずつ進化が進んでいくのでしょうか?

今回の原発事故では1号機のメルトダウンがかなり早い時期(おそらくは3月12日頃)におきていて、3月12-19日くらいに原子炉内にあったI-131、I-134、Cs-137が大量に放出され、その後もそれほど大量ではないにしても空中に放出され続けているようです。しかし、この間でI-131はどんどん崩壊が進み、なくなってきています。これからはCs-137の汚染の問題が重要になってきます。Cs(セシウム)の化学的性質はカリウムと似ており、摂取されますと全身に分布し、90%は100日以上体内にとどまります。半減期も30年と長いので、長期的に汚染が続きます。ヨウ素のような対策をとれないのも困った点です。

そんななかでひまわりが土中から根にセシウムを効率よく取り込むことがわかってきています。取り込ませて、放射性廃棄物として処理することを真面目に検討する必要があるかもしれません。


今日のいろいろ

2011-05-13 01:25:31 | 日記

空気清浄機のプラズマクラスターは興味深いです。シャープのサイトも見にいきました。インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザウイルス、SARSなどの感染率低減実験などもおこなっているようで、心強いことです。ウイルス表面の性質を変化させてしまうことで感染力を低下させる、というのが原理のようです。

福島第一原発のほうも徐々に実体が明らかになってきています。一号機の燃料はほぼすべて溶け落ちて、圧力容器の底にあるようですし、3号機の様子も怪しい。あまりちまちまとした対策を練っている場合ではないのではないか、と思っています。手っ取り早くいえば、放射性物質のある部分をすっかり鉛とコンクリートで覆って水棺にして、汚染水を循環させ、冷却する、しかないと思います。ともかく、海や空中に放射性物質を放出し続けている現況を何とかすることが肝要とおもいます。

話しはがらっとかわりますが、季節は食中毒の時期になっています。昨年の今頃も書いていたかもしれませんが、どうぞお気をつけて。生肉にふれたまな板、包丁、ボールなどはすぐに洗って他のものにしずくなどが飛ばないようにしています。ふきんの類いも、小さいお子さん(10歳くらいまで)のいらっしゃるご家庭では、毎日交換するのがよろしいかと思います。そして、ふきんはすぐに乾燥させることも重要です。微生物は水と温度で増殖率が変化します。温度は確実に上がってきていますから、コントロールできるとすれば水です。ふきんなど濡れたままにしないで、すぐさま広げて乾かすのが理想です。あとは免疫力の増進でしょうか。