無知の知

ほたるぶくろの日記

びっくりした話し

2010-09-29 23:50:49 | 日記

仕事の関係上必要があって、EGFやFGFといった機能性ペプチドについての一般社会での応用について調べていました。これらの細胞増殖因子は発見されて、もう優に30年が経過しているのですが、様々な理由からいまだに生理活性が完全に解明されたとは言えない部分があります。とくにFGFは全部で23種類が知られており、なかでもFGF-2はいろいろな意味で大変強い活性を持つ分子であることがわかっています。そのため、FGF-2については医薬品としてあつかわれており、一般の商品には配合できません。逆に、他の増殖因子はフリーとなっています。わたしが今回びっくりしたのは化粧品など、皮膚関係の商品や関連クリニックにおけるこれら因子の使用のされかたでした。

ある分子の働きの一面のみを捉えて利用しようとしており、副作用などへの配慮が不十分に感じられたからです。もっともひどい話しですが、生理活性が弱いので逆にひどい副作用もなかろう、という姿勢のようです。それはつまり、あまり効果が期待できない、ということにもなります。

いろいろなサプリメントなどと同様、玉石混淆、効果がないのはまだましで、毒性や副作用が恐ろしいものが皮膚関連の商品にはあります。数年前にはステロイドが配合されていない、とされていたのに大量に入っていたクリームなどもありました。これから寒くて乾燥する季節になりますと、どうしても皮膚を保護するための化粧水やクリームが必須になります。基本的に、保湿することは重要なことです。保湿を十分にして、表皮の表面がするするになっている状態を保てば、あとは皮膚が勝手に代謝してくれるようになっています。必要な栄養分は内側から供給されます。

女性の場合はお化粧などしますが、それは皮膚に対してかなりの負荷になっているのです。いろいろ配合されているから大丈夫、なことはありません。化粧を落としたら、汚れをとって保湿し、皮膚の再性能を信じて休ませてあげることが一番だと思います。

アトピーなどの方も、一に保湿、二に保湿です。皮膚の表面が割れないよう、注意することです。割れた部分から環境中のあらゆる物質、微生物が皮膚の内側、つまり体内へ侵入してしまいます。そしてそれがまたアレルゲンとなり、刺激をし、アレルギー反応を起こす、という悪循環になっていきます。

ちょっと話しがとびますが、いわゆるピーリングというものがあります。今回その内容について調べてびっくりしました。「TCAピーリング」とありまして、目を疑いました。TCAとはトリクロロ酢酸というもので、蛋白を沈殿させるときに使う劇薬です。

これが綿製品に飛んだのを気がつかないまま放置しますと穴があきます。私も学生のとき、これでズボンを一本ぼろぼろにしました。またこれを使用するときは手袋をしますが、うっかり皮膚に付いたりしますと非常に痛みます。すぐに流水で洗浄しませんと大変なことになります。このときの試薬の濃度は施術で使用されている濃度と同様なので本当に驚きました。いろいろあちこちでひどい目にあった、という報告があるようですが、そりゃそうでしょう、というのが正直な感想です。そこまでして「一皮剥か」なくても、自然に皮膚は代謝しています。上質の水を飲んで、内側から再生を促す方が正しいと思います。無理矢理一皮むきますと、炎症も起きますし、様々な副反応が起きてくる可能性があります。何事も余計なことをせず、自然な経過を大事にするのがよろしいのではないでしょうか。


最近のどたばた

2010-09-26 12:47:40 | 日記

気温の差が大きく、うっかりしますと風邪をひき込みそうです。昨日の朝の冷たい空気にはびっくりしました。これはコートを出さないと、とあわてたものです。このところ様々の出来事が報道されています。お隣の国関係やさるお役所の特別な部署関係など、不明な点が多くて表面的な報道だけでは問題の本質がまったくわからないです。あれこれ検索してざまざまな方々の提示されている資料や論説を読ませて頂いていました。

「もの」を巡る人間の飽くなき闘争。当初は奪おうとする勢力と守ろうとする勢力であるのが、守ろうとする勢力のなかに奪おうとする思念を持つものが現れて、逆にしかけて奪おうとする。そして全面的な対立になって行きます。この構図は一般の社会でもよくあることです。それこそ子供のケンカから国際関係まで、手持ちのカードやその他の諸々は複雑化するものの、結局は「ゲーム」であるように思います。しかも最終的には人々の生命と生活を脅かしていく危険なゲームとなります。これはこの世における「人間」の本質でしょうか?人間の「知性」はこのゲームをするために授かったのでしょうか?

話しは少し飛びますが、最近医学関連の様々な問題点について調べたりするのですが、ここにも上記のゲームが絡んできています。「科学者」が上記のゲームに参入し、問題点をさらに複雑化していきます。私の職場組織も例外ではなく、うんざりするようなゲームに巻き込まれています。逃げるわけにはいかないゲームです。これもまた、この世で経験できる「ありがたい恩寵」として受け取っていくことが必要なのでしょう。私ができることは、自分のやらなくてはならないことから目をそらさないことかと思っています。様々の情報は重要ですが、全部飲み込んで消化しております。短絡的、反射的に動くことはないように、とくに扇情的な煽りには注意したいと思っています。


メメント・モリ

2010-09-20 23:59:04 | 日記

正しい普通の生活は、おのずと禅の境地に至る。禅は座して魔境をみようという酔狂なものではなく、日常の行動がいかに人間にとって重要な修行であるのかに気づこうというものなのでしょうか。口から出す言葉、自分が行うものをまわり回って自分が受け取る、ということは長く生きておりますと頷けることではあります。道元禅師の正法眼蔵では必ずしも今生では受け取らないかもしれないし、すぐにでも反映することもある、と書かれています。確かにな〜と思う事は多いです。
さらに今の生をしゃきっとさせる秘訣は、明日は死んでいるかもしれない。突然のようにこの生は終わりになるかもしれないのだ、ということを胸においておくということでしょうか。
禅に限らずメメント・モリ(Memento mori 死を忘れるな)という古いラテン語の言葉もあります。ローマ皇帝が栄華の絶頂にあるとき、あえてこの言葉を自分に向け戒めることをしたそうです。(もっとも、だから今を楽しもう、という享楽を肯定する言葉として受け取った方もいたようですが)
また先日「When work feels overwhelming, remember that you're going to die.」(仕事でもうだめだと感じたら、いつかは死んでしまうということを思いだそう)という言葉と画像も見つけました。微妙にずれてる感もありますが、あともうちょっと頑張ろう、という感じがよく出ているかと思います。英語圏のヒトもがんばってるのね~と思いました。


秋のはじまり

2010-09-18 13:45:00 | 日記

このところ涼しい日が続いています。それにつれて周りで風邪をひいた方が増えてきました。暑い夏に適応していた身体が涼しい気温に対応できないようです。真冬におとらず冷えに気をつけないといけない季節です。ついつい猛暑のときの服装のままで過ごして「涼しいな~♪」なんてやっていますと、いつの間にかひんやり冷え過ぎてしまっています。でもひんやり~というのが気持ちいいのも確か。そこで首、お腹から腰、膝のみを手厚くケアして涼しい空気を楽しんでいます。

樹々のなかには早々に紅葉をはじめているものもあって、びっくりします。秋が始まっていることを実感します。

ところで難治がんについて少し仕事をしています。現在治療法がほとんどないに等しいがんが二つほどあります。一つは膵臓がんの一部。もう一つはスキルス胃癌です。臓器が異なり、がん化する細胞の種類も全く違います。しかし、いくつか共通項があり、探索の手がかりになっています。どちらも進行の早いがんですが、いろいろ調べてみますと自然に治ることもあるようです。

勇気を出して、誤解を恐れず概念的な話しをしてみます。どちらも炎症反応が非常に重要なファクターになっています。炎症反応は免疫系の病原性微生物に対抗するための重要な武器のひとつです。しかし、それがこのがんにおいては裏目に出ているということです。最近あらゆる発がんの過程で、炎症反応が関係していることがわかってきています。つまりはがんは免疫系の病気といってもいいくらい、免疫系細胞の働きが重要だということです。炎症が激しいために、繊維化が進行し、その増生した間質細胞にくるまれてがん細胞はぬくぬく、ガンガン増え続けていくのです。間質細胞にくるまれているため、がん細胞を除去するのに肝腎な細胞障害性免疫細胞ががん細胞に近寄れないことになっているように思われます。

過剰な炎症反応を鎮め、正しい細胞障害性免疫系が働くように持っていくことが治療を助けることになるかと思います。生活習慣として何かできることはあるのか? についてはもう少し考えてから提案したいと思います。


おもいで

2010-09-15 00:13:09 | 日記

子供の頃入院したことなど憶いだしていました。小4のときホジキン病を疑われ、検査のために約一ヶ月ほど入院していたことがあります。ホジキンを疑っていた小児科医長は否定的なデータばかりが出てくるにもかかわらず、珍しい「症例」に出会ったことを信じたかったらしく、執拗に検査を続けていました。この医者のことは今も忘れられません。いい修行をさせて頂きました(笑) ただ、別の先生が「大したことではないと思うんだけどな~」と言っていらしたこともあり、心には救いがありました。ですから自分の中のどこかでは悪性リンパ腫などではない、と信じていましたので、本当の意味で死を覚悟したわけではなかったと思います。ちょっと中途半端な修行ではありました。

しかし今一度、そのときのことなどを思いだしますと、職場でのあれこれが少し遠いものに感じられます。自分が今生きている。そのことのありがたさをじんわりと胸に感じることができます。おかげさまですね。

ところで先日、白山に今年もライチョウが確認されたというニュースをみました。白山のライチョウは70年前(昭和の初め)に絶滅したと考えられていたのですが、昨年一個体確認され話題になっていました。果たして年を越せるのかと心配されていましたが、今年もまたヨタヨタと歩いている姿が確認されたようです。おそらく昨年確認された個体だということで、もしやたった一羽でお過ごしなのか?と心配してしまいます。これからも注目していきたいとおもう話題です。もしも白山でライチョウを見かけましたら、どうぞそっと静かに遠くからエールを送ってあげてください。