無知の知

ほたるぶくろの日記

あんまりな話し

2012-11-26 22:04:29 | 日記

今朝テレビで報道されていたニュースには本当にぞっとするものがありました。「四国の神社でご神木が枯れる不思議」とのことで、忙しい朝なのですがテレビに釘付けになってしまいました。

四国のあちこちで樹齢数百年のご神木が枯れているというのです。なんとまあ、と思っていると業者がやってきて枯れた木は倒れたりして危ないですから伐って処分しませんか?お安くしておきますよ、と提案するわけです。そしてその枯れた御神木の根元をよく観察するとドリルで穴があけられ除草剤が注入されていたのが発見されたそうです。つまり何者かが意図的にそのご神木を枯らしたわけです。しかもその穴の深さは周到で4cm。そこにある樹木の導管に除草剤を注入することで効率よく除草剤を樹木全体に行き渡らせ枯らすことができるのです。そしてさらにそれより内側の木部(お宝の材木部分)は何も問題もなくきれいに保存されるというわけです。

少し調べてみますと、どうやらこれが最初の報道ではないようですね、すでに5月くらいにも報道されているのですね。この手法は以前九州で散見された手法だそうで、最近はもっぱら四国。そしてじりじりと紀伊半島に移っているそうです。こういう人間が出てくる時代です。それは国魂さまも怒るでしょう。情けないことです。お金のために神域の樹木に手を付けるとは。


少し明るい話題

2012-11-25 19:41:27 | 生命科学

すっかり寒くなりました。この連休中東京は真冬のようです。ベランダの植物たちの枯れ葉を整理したり、枝を刈り込んだりしました。レモンゼラニウムも大きく育ったので枝を大分切って乾燥させるべく居間に吊るしました。ほんのりレモンの香りが部屋に漂います。そんな風に少しずつ冬になる準備をするのは楽しいことです。ウールのセーターやコーデュロイの暖かさにうっとりして幸せになったりします。

ところで、先日おもしろい記事をネットで見つけました。 

(引用ここから)

安倍氏の難病治したゼリア新薬工業 次なる特効薬は「がん」

NEWS ポストセブン 9月14日(金)7時6分配信

 自民党総裁選への立候補を正式表明した安倍晋三元首相。会見では、5年前に首相辞任のきっかけとなった「潰瘍性大腸炎」がほぼ完治したことを報告。「常に潰瘍が数個あったのが、今は本当にキレイになっている」と健康面での再起も誓った。

 医療ジャーナリストが、改めて潰瘍性大腸炎について解説する。

「大腸の粘膜に潰瘍やびらんができる病気で、『クローン病』とともに炎症性腸疾患に分類されています。患者さんは度重なる血便や下痢に苦しめられ、ひどくなると大腸がんの合併頻度も高まります。潰瘍性大腸炎の国内患者は10万人を超えていて、毎年5000人ずつ増えているようです。原因が不明なことから厚労省の『難病性疾患克服研究事業』に指定されています」

 だが、治療法に明るい兆しも見えている。安倍元首相が「2年前に特効薬が発売されたことで、今はまったく問題なくなりました」と語ったように、2009年12月に治療剤の『アサコール』が発売され、昨年1月から長期処方が可能になったことで、飛躍的に症状の改善が見られる患者が増えているという。

 このアサコールを発売したのは、ゼリア新薬工業という中堅製薬メーカー。一般に馴染みが薄いかもしれないが、関節痛内服薬の「コンドロイチン」や滋養強壮剤の「ヘパリーゼ」はコンビニでも販売されている。

 大衆薬とともに同社が力を入れているのが消化器疾患系の医療用医薬品。主要6品の販売はいずれも堅調で、特にアサコールは年率2ケタの成長ぶり。2012年度は108億円の売り上げ(共同販売の協和発酵キリンとの合算)を見込み、大事な収益柱に育った。

 さらに、ゼリア新薬が大きな市場を見込めると期待を寄せているのが、“がんの治療薬”の普及である。かつてがんの免疫療法として話題を集め、いまも有償治験薬として多くの患者が使用している「丸山ワクチン」。それと同じ成分構成で、がんの放射線治療による白血球の減少を抑える薬「アンサー20」を、既に1991年から発売しているのだ。

 そして、丸山ワクチンを使った抗がん剤の開発も着々と進んでいる。

「子宮頸がんの治療薬として最終臨床実験に入っている『Z―100』(開発コード名)は、2年後に厚労省に製造承認申請をする予定。これが順当にいけば、さらに別のがん種の治療薬にも応用すべく、研究開発を続けている」(ゼリア新薬の関係者)

 今後も大衆薬と医療用医薬品の“全方位”戦略で成長を加速させたい考えのゼリア新薬。中堅メーカーといえども、その存在感は確実に高まっている。(ここまで) 

『アサコール』という薬は大腸での炎症症状を抑える薬で2009年12月に日本で認可されました。この薬で潰瘍性大腸炎から回復された方が増えているとのことです。安倍晋三氏は以前からこの病気を患っていらしたそうですが、隠されていたようです。それが首相に就任され過大なストレスに晒されて悪化してしまったのでした。その後この薬を服用され元気に政界に復帰されたのです。これからはこの病気を根治する治療法が見つけられたらよいですね。

この薬を製造しているゼリア新薬は丸山ワクチンを現在『アンサー20』として製造販売しています。放射線治療による白血球減少症の治療薬として認可されている薬ですが、抗がん剤としては有償治験薬となっています。それが『アンサー20』をそのままか改良してかは分かりませんが子宮頸がんの治療薬として臨床実験に入っているとはなんという朗報。きちんとした臨床データを採るところまで来たとは感慨深いことです。期待したいとおもいます。


がんの免疫療法について

2012-11-04 11:17:53 | 生命科学

しばらく前にがんの免疫療法について少し書こうと思いました。自分自身のメモの意味もありました。ところが調べ始めますとなかなか奥が深く、しかも日進月歩の様子で簡単ではないことに気づきました。とくにこれまでほとんど分かっていなかった自然免疫の分野で知見が積み重なっており、これまでの免疫に関する病気の概念が変わっていく可能性もあると思われます。 

しばらく暇を見つけては勉強をしてきたのですが、最近やっと一般に行われている免疫療法に関してなんらかの見解をまとめることができるかもしれないと思えるようになりました。もしものときの参考にして頂ければと思います。 

 

最近の免疫療法の主流は大きく分けて3種類あります。

一つは活性化自己リンパ球療法や樹状細胞療法などす。患者さんの免疫細胞(単球など)を末梢血から取り出し、サイトカインを組み合わせて培養し、細胞数の増幅と活性化を行い体内に戻すものです。もっとも広く行われている免疫治療かもしれません。 

二つ目はがん特異的抗原とされるペプチド(WT-1など)を患者さんから取り出した樹状細胞に接触させ活性化し、患者さんに戻すというものです。

三つ目は自家がんワクチン療法です。こちらは患者さん自身のがん組織の加工品をアジュバンドとともに注射するというものです。

 

どれもまだ始まったばかりと言ってもよい療法で評価は定まってはいません。

一つ目の方法は分化、活性化のための培養にお金がかかり過ぎますし、感染など医療事故の可能性も考えられます。二つ目の方法はがん特異的抗原とされる分子が限られているため、耐性のがん細胞がでてくるなど特異的抗原分子を巡りいたちごっことなる可能性を持っています。三つ目はがん組織全体を抗原として使いますので、幅広い抗原に対する免疫反応が期待できます。どの抗原を攻撃対象とするのかは、患者さん自身の免疫系が選択するのです。ただこの療法では「注射する」というところに弱点があるとおもわれます。自然免疫や細胞性免疫の活性化ががんの免疫治療では重要だと思うのですが、そのためには「注射」という投与方法が果たしてふさわしいかどうか検討の余地があると思います。

 ここからは私の個人的な見解ですが、三つ目の自家がんワクチン療法が最も効率よく、しかも長期的に抗がん効果があるのではないかと考えています。現在の免疫療法全体の分類ですが、あるサイトの模式図では「非・特異的」療法から「特異的」療法へ「進んでいる」と説明されています。しかしそれが本当に進んでいるのかどうかはまだわかりません。これだと思った特異的抗原がまた変化していく可能性があるからです。免疫系は複雑なモビールです。人が人工的にそのバランスに手を入れることは慎重でなくてはならないと思います。 

さて、もしも今私自身が使うことになったらどうするか? 私は三つ目の療法を選ぶだろうことを最後に申し上げておきます。