無知の知

ほたるぶくろの日記

隕石など

2013-02-11 17:27:19 | 生命科学

最近改めて感動したのは、他の天体から飛来してきた隕石の組成のことです。ずいぶん長い間、隕石には地球には存在しない元素があるのではないか、と思っていました。恥ずかしい話しですが私は岩石や地層などいわゆる地学などにはあまり興味がなくて、隕石はどういう組成なのか、どの程度わかっているのか調べることさえしていませんでした。

 
主に地球上にあるものに興味あり、の態度だったわけですが、先日アミノ酸が宇宙から降って来ることがわかったことから、にわかに隕石への興味が湧いてきました。調べてみると、なんのことはない隕石に含まれる元素は宇宙を構成する元素なわけで地球上にある元素と同じ。ただし含有する元素の割合であったり石の生成の仕方などが地球上ではあり得ないものであることが特徴だと知りました。地球は宇宙の中の星なのだと改めて思った次第です。核酸も宇宙から来たのかもしれませんね。
 
先日、スー(ティラノザウルス=Tレックス、スー)を発見した女性研究者の特集の再放送を見ました。その方は化石だけでなく特殊な琥珀も探していました。琥珀は樹脂が固化して地中に保存されているものです。これまで私も琥珀の中に昆虫や超太古の葉などが閉じ込められているものがある、ということは知っていました。しかし、モノによっては水と細菌などの微生物が閉じ込められているものもあるのです。琥珀から採取された細菌はなんと生きていて、数億年前の細菌を現代で培養することさえできているのです。本当に驚きました。ジュラシックパークも夢物語ではありません。彼女は大自然の作ったタイムカプセルと言っていましたがその通りです。
 
隕石のなかには遠くの星から何万年もかけて地球に来るものもあるでしょう。そうするとその中に閉じ込められていたアミノ酸やDNA断片なども古代のものです。そして地球に降り注ぎ、現代の社会に影響を及ぼすことも十分考えられるわけです。現代の現象を考えるのに時空間軸が一挙に広がった感じで目眩がします。人間は小さくて短命な生き物ですね。

不思議なおじさんの話

2013-02-09 19:17:58 | 日記
ずいぶん前のことです。まだ暑い9月初めの頃のことです。自宅の最寄り駅へいくには大きな国道の歩道をしばらく歩きます。その国道の向かいには私立女子中高等学校があるためそちら側の歩道の道路側には草花などが植えられきれいに整備されています。ところが駅のある側は駐車場や高級バイク店などがあって、人通りはあるのですが歩道の道路側の植え込みはゴミだらけなのです。
 
いつも通るたびに気になっていまして、夏前にはボランティアで掃除でもしようかなぁ、などと考えていました。しかし哀しいかな私はちっとも身体が動かないままでした。結局暑い夏が過ぎゴミはぼうぼうとした夏草に隠され、その上にまた新たなゴミが捨てられていました。
 
そんなある夕暮れ、私が駅に向かっていると浮浪者風のおじさんがなにやら植え込みでやっていました。見ていますとどうやら植え込みの夏草を引き抜き、ついでにゴミもかき集め一カ所に集めていらっしゃるのでした。その方は植え込みと歩道のあいだに座り込みどんどん作業をされていました。おやまあ、と思いながらその場を通り過ぎ、電車に揺られながらひょっとしてあの方は神人か?と思っていました。次の日もその方は作業をされ、昨日引き抜いた草やゴミはところどころ歩道に山を作っていました。これはこれはと思いましたがなんとなく声もかけづらく、明日には冷たいお茶でも差し入れようかと考えて通り過ぎました。
 
その次の日に通りかかりますとゴミはごみ袋に入れられていまして、植え込みはすっかりさっぱりとしていました。そしてそのおじさんはもういませんでした。その後、その植え込みしばらくきれいな状態が続きました。ほんとうに有り難いできごとでした。あのおじさんは一体どういう方だったのか。今もそこを通るたびにあのおじさんのことを思います。
 
最近また植え込みにゴミが目立つようになってきました。今度こそは私がお掃除をしたいものだとこっそり思っています。

これからの日本をちょっと考えた今朝

2013-02-07 23:41:37 | 日記

今朝なんとなく「『大人の時間』の肥大化」ということが思い浮かびました。これが少子高齢化社会を生んだ一つの文化的要因のように思います。私が若い頃「日本には大人の文化がない」などという言説が巷で流行っていました。「欧米には成熟した大人が楽しむ場所もエンターティンメントもあるが、日本にはない。どこへ行っても子ども連れ。子どもを楽しませるところしかない。日本にも大人の文化が必要だ。」

丁度時代はバブル。その言説は若くて元気でお金が自由になる独身男女には大変魅力的だったと思います。私はその頃は研究室で24時間365日営業の日々でしたから「大人の時間」を楽しむ余裕はありませんでした。お金もなかったですし。
確かにショー・ビジネスや様々な「大人の居場所」は発達しました。

そうして生まれたのは、人生の中で一番元気で力のある人間が他を助けることをしないでその瞬間を謳歌するための社会。彼らの言う「人生の謳歌」の人生とは一番元気な30年あまりのこと。子供時代と老後の人生については考えていない。はっと気づくとまわりは自分と一緒の老人ばかり。
これから私たち日本は子どもを大事にしていかなくては。年寄りはできるだけ自分で生きて、若い人たちを助けていくことを考えなくてはいけませんね。年寄りはみんなで農業をやるのもいいかもしれません。そのかわり、ちまちま小規模な農業でしょう。でも楽しみながら、自然を慈しみながら野菜を育てるのできっと良いものができると思います。元気なお年寄りにはいい運動です。
 
なんてことをぼんやり考えたりしながら電車に乗っていました。

春の気配

2013-02-05 00:31:24 | 日記

このところ暖かい日が続いていました。風に乗って花の香りが、と思ったらどうも「さざんか」。私は今までさざんかの香りをよく知らなかったようです。なんともいい香りでいかにも花の香り。華やかです。氏神様の社域には梅があるのですが、このところ忙しく様子を見にいっていません。明日あたりお参りしてみましょう。

 明日の夜からは東京は大雪とか。20度もある日の後に大雪ですか。気温乱高下です。いろいろ起こりますが、茫洋たる道を楽しく歩いていきましょう。
 
今日はもう一つ新しいブックマークを付け加えたことをお知らせいたします。精神科のドクターのHPです。大変論理的に様々な相談にお答えされています。その相談メールに対する真摯な態度に敬服しております。現代人の心の様子がよく分かるHPです。

がん治療について

2013-02-02 15:05:55 | 生命科学
最近がんの治療に関していろいろ調べ、考えています。臨床は理論だけではなく、臨床医の経験と実績とをもって患者さんを助ける仕事です。とくにがんの診療は常に患者さんの臨終を左右する重い仕事です。研究室で細胞や動物を相手にしている研究者とは全く違う仕事をされています。患者さんの命を背負って仕事をされていることを思うとき、安易で軽い議論は厳に慎まなくてはならないと考えています。
しかし、臨床家にもいろいろな方がおられますし、なによりも臨床家の世界は組織(主に学閥と診療科、医局など)が堅固です。治療の仕方などでの縛りがあると聞いています。がん治療に関しても様々な方針があり、最近はとくに外科対腫瘍内科の意見の食い違いなどがあります。
 
私は事情があって最近のがん治療がどのようになっているのか、抗がん剤治療はどのくらい功を奏しているのか昨年の秋頃から調べていました。また、立ち上げられて久しい免疫治療がどの程度のものであるのかも知りたいと思いました。今回は論文を調べるよりもそれぞれの医療機関でどのような治療をしているのか、主にHP、各種ブログを参考にしました。そうする中で私自身や家族に受けさせたいと思うがんの治療をされている先生をみつけました。左のブックマークに新しく加えさせて頂きましたのでご興味のある方はご覧ください。
こちらの臨床医の方は一部のがんを除いて、いわゆる『抗がん剤の標準治療』をされません。今までにも書きましたが抗がん剤の標準治療で根治する血液系のがん、乳がんの術後化学療法の有効性は疑う余地はありません。こちらの先生も行うべきだとおっしゃっています。最近は吐き気を止める薬や骨髄抑制を抑える薬も出てきていますし、副作用に関してのケアも進んできています。しかし、その他のがんに関して現在行われている『標準治療』は納得のいかないものであるとされています。
 
現在の標準治療はエビデンスに基づいた治療(EBM)が公的に進められているものですがどなたも満足されていませんし、最良であると本当に考えている方はいないと思います。個々のがんの性質はかなり異なるものですし、そのがんを患っておられる患者さんの状況もまた異なっています。そのなかでおひとりおひとりに見合った薬剤の量をがんの状況を見ながら処方していくというきめの細かい治療をしていかなくてはなりません。それは現在の医療機関の現状からして不可能なのでしょう。
もう一つの要因はおそらく臨床研究が追いついていないということだと思います。抗がん剤を多く使えば使うほどがんへの効果が高い、という固定観念があるようです。しかし、免疫治療をされている方からすると、それは暴論です。がんに対して個体の免疫力がどの程度重要であるのか、についてもきちんとした評価はないように思います。それにも拘らず化学療法の中心にいらっしゃる方達は免疫に関しては全くその効果を認めていません。
 
ともかくそのような状況に風穴を開けるべく奮闘されている臨床家がいらっしゃることに心が明るくなります。その方はがんに対し、低用量の抗がん剤と廉価で効果のあるBRM(主に免疫力、体力強化のため)を併用しながら治療を行っているようです。その方の治療の詳細や考え方については私がいろいろ書いて誤解を招くよりも左のブックマークからその方のHPをご覧になる方がよいでしょう。私が今一番信頼できるがんの臨床医の方だ、とだけ書いておきたいと思います。