ドイツで16年にわたったメルケル政権が幕を閉じる。9月の総選挙でメルケル首相が所属する中道右派のキリスト教民主・社会同盟が敗れ、代わって第1党になった中道左派の社民党を中心とする連立政権の樹立に向けた交渉が続いていた。そして、24日、社民党、環境問題を推進する緑の党、中道・自由民主党の3党が政策合意し、社民党の党首ショルツ氏を首相として推すことに合意した。この結果、来月6日にも新政権が発足する見通しとなった。当初は連立政権の交渉がもつれ、クリスマス近くにまで新政権の発足は難しいのではないかとみられていたが、どうやらそれが早まりそうである。ドイツはメルケル政権よりも、もう少し環境問題などを重視する左側の政権になって、フランスなどとは違う路線を歩むことになるかもしれない。ヨーロッパはベラルーシやウクライナ問題など、東からの脅威が続いている。コロナもなかなか終息しないなかで、エネルギー問題、難民問題なども発生している。これまでメルケル首相の個性でまとまってきたヨーロッパも、その縛りが無くなり、各国が自己中心的な政策運営に走れば、EUの分裂を加速させるかもしれない。(くちなし亭、2021.11.25)
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