人間が壊した生態系を再び、元に戻そうとする運動が各国で起こっている。植物や小動物ならば、温かい地元の人たちの応援を得て、根付いていくのだろうが、大型動物ともなれば、大変である。フランスは南西部アリエージュ(Ariege)県のセ(Seix)地方で、猟師をしている70歳の男性がヒグマに襲われた。猟師は大けがをして、クマも猟師が放った銃弾で死亡した。クマは子連れの母グマあったという。たまたまイノシシ狩りをしていた猟師に遭遇し、襲ったようだ。さて、フランス南西部ではかつてヒグマは絶滅危惧種であった。そこで、スロベニアから輸入し、ヒグマを増やすプロジェクトが行われ、今ではこの地で60頭以上のヒグマが生息するまでに復活したそうだ。老漁師もそのことは知っている。だからヒグマは撃たない。そんな人間の専守防衛の状況を知っているヒグマは人間に先制攻撃を仕掛けたのである。ヒグマにも子熊を守るという事情はあった。ただ、最近、近隣の牧畜農家でもヒグマの被害が増えているという。(くちなし亭、2021.11.22)
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