クリーンディーゼルという言葉はテレビのCMなどで聞いたことがあるでしょう。元々、ディーゼル車は軽油を使うので、ガソリン車よりも燃費が良かったのですが、燃えると有害な排ガスが発生します。だから、元東京都知事がトラックの多く走る交差点に立って、真っ黒な空気を造るディーゼル車規制を呼びかけたのです。世界的な環境問題の関心の高まりとともに、ヨーロッパを中心にクリーンディーゼル車が普及し始めました。ただし、クリーンディーゼル車にはアドブルーが必要です。アドブルーとは尿素水のことで、有害な窒素酸化物と化学反応を起こして、それを無害化します。最近の車にはこの尿素水がないと走れない車も多くなりました。問題はこの尿素水の主な原材料が石炭だということです。さて、お隣の韓国ですが、ディーゼル車の普及が高く、物流の主な担い手となっています。そして、尿素水の9割近くを中国からの輸入に頼っています。ご存知のように中国では石炭不足です。寒波が襲来した今は、さらにひっ迫しています。中国政府は当然のように、尿素水の輸出を規制します。困ったのは韓国です。尿素水という日ごろはあまり、その重要性を気にも留めなかったもののせいで、物流が止まるかもしれないという事態になってしまったのです。もちろん、全面的に止まるわけではありませんが、その4割でも止まれば、社会生活や生産活動に大きな影響を与えることになるのです。(くちなし亭、2021.11.10)
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