原油の価格が上がっている。WTT原油価格が1バーレル当たり84ドルである。80ドル台からなかなか下がらない。解説は上がっているから、その理由を後つけしているところがある。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による減産やロシア精油施設への攻撃を背景に原油供給が抑制される半面、米中の経済成長加速が需要を押し上げるという期待が強まったからだというのである。しかし、経済減速で、OPECの結束は乱れている。サウジアラビアは確かに減産しているが、それほど本腰とは思えない。ロシアの精油施設へのウクライナからの攻撃だが、もともとロシア産原油は制裁下にあって、中国への輸出頼みで、それも減少傾向にある。米中の経済成長期待だが、これははっきりと減速である。特に中国の経済悪化は深刻である。これまでなら、インドがその肩代わりをすると言われていたが、そうなっていない。それにもかかわらず、原油価格が上がっているのは早晩、急落する前兆ではないかと思えてならない。(くちなし亭、2024.04.02)
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