3月18日昼ごろ、神戸市垂水区の電器店従業員、島田逸平は浴室の電気工事の依頼を受け、区内の80代女性宅を訪問した。その時、高齢女性は電話中で、そのやり取りが耳に入ってきた。金庫は開き、中にあったと思われる通帳が出されていた。通帳が傍らには、その通帳を入れようと封筒を持った別の女がいた。おかしい。島田さんは直感した。詐欺だ。ここからが重要なことだが、この高齢女性は詐欺の女性と島田さんと、どちらの言うことを信じたかと言うことである。たぶん、島田さんはこの高齢女性と顔なじみだったに違いない。島田さんの言うことを信じたのである。島田さんは封筒に何も入れていないことを確認して、詐欺女性に帰れと命じた。そして、すぐに、警察の連絡し、所轄の警官が特徴が似た女性を見つけ、逮捕した。この女性は受け子であったようだ。よく、銀行などで、これは絶対に詐欺だと思われる状態でも、顧客はなかなか自分が詐欺にひっかかっているとは認めない。詐欺師の方を銀行員よりも信じるケースが多いのだ。今回のケースは顔なじみの島田さんが偶然に訪れたことが幸運だったのである。(くちなし亭、2024.04.23)
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