先日、卓球の世界大会に選出されたメンバーの記者会見が行われた。そこで、記者に答えた伊藤美誠選手の言葉が印象的だった。伊藤美誠、平野美宇、早田ひなの3選手は早くから、卓球界の黄金トリオと呼ばれ、同世代で、仲もよかっただろうし、互いに切磋琢磨してきた間柄であっただろう。だが、この2年、日本卓球界が決めたパリオリンピック選考レースに立たされることになった。この間、3人は互いにライバルであり、敵であった。平野選手は終わった後で、心臓が爆発しそうだったと表現しているほどだ。そして、伊藤選手の言葉である。彼女はこの選考レースで落選したのだが、その悔しさよりも、なぜかほっとした顔つきになっている。「これまで、本当にピリピリした関係だったので、とにかく終わって、またみんな元のような仲良しに戻れて、うれしい。」私も会社員時代に感じたことである。入社当時は仲の良い同僚だったが、次第に出世競争に巻き込まれ、互いにライバルになり、敵のような関係になったのである。その関係が30年以上も続いたのである。そして、皆、定年となり、会社を辞めて、中にはいまだに会社序列を引きづっている人もいるが、時が経って、それも薄れていくと、また元のように、仲の良かった同僚に戻るのである。それを同期会で発言したら、笑われた。(くちなし亭、2024.02.11)
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