隔離って、嫌な言葉なんだよ。

今、政府の首脳やテレビの解説者、女性の出演者まで、平気で隔離と言う言葉を使う。隔離とはその人の自由を奪うことなんだけど、隔離は当たり前だという前提で、喋り捲る。とても違和感を感じる。沖縄にいた時に、とある伝染病の隔離病棟の跡地だというところに行ったことがある。寂しいところだ。多くの人が、その伝染病が克服された今でも近づかない。当時ならなおさらだ。まして、不治の病などを抱えて、その病棟に隔離された人の哀れさは今も、人々の胸に響く。当然、そこにはひどい差別があったのである。罹患者は人の目を逃れるように生きていたのである。今回のコロナ騒ぎで、再び隔離が大声で言われている。感染者を検査で識別して、すべて隔離してしまえば、それ以外の健全者で、通常の社会生活を送れるなどという暴言を真顔で言っている。私は通常に働いている人の中から、無理やり感染者をあぶりだす必要はないと思う。病状が少し悪くなって、通常の生活ができなくなった感染者を救うのが健全なやり方ではないかと思う。もう一度言う。隔離って、嫌な言葉なんだよ。（くちなし亭、2020.05.12）

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