私も街を歩いていて、急な犬の出現に驚いたことがしばしばある。多くは飼い主が犬にリードをつけて、停車中の車の脇から出てくるものだが、最近の飼い犬のほとんどが背の低い小型犬である。私の目線からは下過ぎて、視界から外れているのである。その犬の気配を感じて、足元に急に現れたことを知れば驚くのも無理はない。さて、大阪府高槻市の住宅街で2015年6月、ランニングをしていた40代の男性会社員が走ってきたミニチュアダックスフントを避けようとして転倒する事故があった。転倒した会社員は怪我を負ったのであるが、飼い主の女性もこんな可愛い小さな犬で怪我なんてするのは「じじい、あんたが悪い。」と高慢な女性なら不満を垂れそうである。だが、飼い主のあなたが悪いのである。犬を飼う以上、その犬がどんなに小さかろうと監督責任、いや管理責任が発生するのである。どんなに犬に管理されている間柄であってもである。この場合も、大阪地裁は女性にリードから手を離した過失を認め、約1280万円の支払いを命じたという。ではリードさえ手放さなかたら過失はないのかと言うと、たぶん、過失は発生するだろう。もちろん、過失割合は低くなるかもしれないが、世の中犬に驚く人もまた多いのであし、高齢者のように咄嗟に対応できなくなった人も多くなったのである。(2018.03.30)