北朝鮮が韓国の特使との会談で、南北朝鮮の首脳会談が3月末にも実施されることが決まった。日本を含めたアメリカ、中国、ロシアという周辺国は北朝鮮の非核化を求めているのであるが、北朝鮮は核を放棄しないと言っているし、仮に放棄すると言っても、一度核技術を持った国が放棄したからと言って、核の脅威がなくなるということはありえない。世界は核を作ることは資金さえあれば、あるいは小さい物であれば、どの国でも簡単に作れる時代に入ったと思われる。それでも非核保有国が核を持たないのは、持つ必要がないか、あるいは公表しないだけである。今回の北朝鮮の金正恩委員長のほほえみ外交は、何としても、オリンピック、パラリンピック後のアメリカの攻撃を阻止したいという表れであろう。だから、韓国に大きな見返りを求めない会談になると思われる。それだけ、文政権には心地良いものだが、主導権を北朝鮮に握られていることだけは間違いない。つまり、用が済めば捨てられることも覚悟して、交渉に臨むべきなのである。捨てられないようにびくびくして交渉に臨むべきでない。少なくとも、平和というたいまつを手にしたことは間違いないからである。周辺国は表面的なスタンスはともかく、核を持った北朝鮮とどう向き合っていくかを考えるべき時かもしれない。(2018.03.07)