台風27号が近づいている。台風26号が伊豆大島を中心に、甚大な被害を出したので、その接近が心配されるのである。だが、台風というのは、我々に被害をもたらすとともに、恵みもまたもたらすのである。日本の豊かな水資源は台風のたまものでもあるという説さえある。「人間万事塞翁が馬」という中国のことわざがよくつかわれる。幸運と不運が綾を成すという意味だが、最近の経済コラムにもたびたび登場する。つまり、結果を正確に予測できないケースが頻繁に起こる昨今である。台風26号での伊豆大島の被害に遭われた方々には、深くお見舞いを申し上げたうえで、あえて申し上げれば、この被害はマイナスばかりではない。伊豆大島が水はけが良い土壌で、土砂災害は起こらないという迷信が崩れ、今後は、その対策が進むものと思われる。さらに、27号の接近で、自衛隊、消防長、さらに、警視庁の多くの人たちが、この島に派遣され、急ピッチの作業が進む。これだけの人が入れば、一般の商品も売れる。カップラーメンなどの在庫も底をつく。ある商店などは緊急に仕入量を増やしたが、船が荒れた海のために港に入れず、商品が入ってこないとこぼしている。また、今日は、何人かの体のご不自由なお年寄りが島外に避難した。そのなかの何人かは、いつもは会えない孫たちの顔を見ることができたという。そのお年寄りには笑顔があった。メデイアはさぞ大変でしたでしょうとお年寄りを追うのだが、お年寄りには笑顔があったのである。
Y-FP Office Japan
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