アメリカのオバマ米大統領は9日、次期連邦準備制度理事会(FRB)議長にジャネット・イエレン副議長を正式に指名した。イエレン氏は多くの民主党議員の支持を受けていて、来年の1月末に任期の切れるバーナンキ議長の後任になることはほぼ間違いない。イエレン氏は現在、FRBの副議長であり、バーナンキ氏の考え方にも、近いというので、多くの人たちはこれまでのFRBの路線が引き継がれると思っているようである。ただ、FRBは来年から、その構成メンバーも変わる。議長は独裁者ではなく、調整役である。イエレン氏自身は金融緩和論者であるのだが、その役目がら、持論を抑える可能性も高い。積極論者のバーナンキ議長はいなくなる。投票メンバーには、デフレ警戒を重視するセントルイス連銀のブラード総裁、シカゴ連銀のエバンス総裁、さらに資産購入推進論者であるボストン連銀のローゼングレン総裁がいる。アメリカ経済は失業率の高まりなど、踊り場にいることも間違いない。QEを一気に縮小できる状況にもない。さらに、財政の壁が思いのほかに現実を帯び始めている。オバマ大統領が言ったように、政府とFRBは良きパートナーでなければ乗り切れない状況でもあるのだ。
Y-FP Office Japan
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