風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

ヴァンパイア

2009年05月20日 | 出版
昨夜もTDCSの講義で豊陽子さんの「映画配給/劇場営業論」を聴きに、秋葉原UDXまで。講義内容の説明は省略するとして、最近の映画では、「余命1ヵ月の花嫁」と「名探偵コナン」(共に東宝)が予想以上にお客さんを動員している。「余命~」はさておき、「コナン」がどうして人気なのか、小生にはさっぱりわからない。
一方、出版業という面から見ると、両者とも講談社が関わっている。映画の売れ行きが書籍の売れ行きをどの程度促進するのか知らないが、映画とのタイアップでマンガが売れ、しかも映画からの収益も入ってくるのだから、これはおいしい話だ。角川グループでは、角川映画が太宰治の『人間失格』を映画化するそうだが、当然これも、書籍との抱き合わせ販売を考えているわけで、それなりの収益を見込んでいるのだろう。カバー写真に主役のイケメン俳優のスチールを使って、若い女性層を取り込もうとする戦略だな。いいなあ、いいなあ、大手さんのやることはド派手でいいなあ。
一方、それはそれで、出版業者の巨大メディア産業化を意味するので、はずれたときのダメージもでかくなるハイリスク・ハイリターンとなるから、一時期のソニーのように、いいコンテンツに巡りあえないとお金を捨てるだけのことになってしまう。恐ろしや、恐ろしや。やはり、地道にコツコツと、良書を作ることに専念していた方がいいのだろう。
その昔角川書店は、映画がらみの文庫の宣伝に13億をかけて11億の売上を上げたという笑い話があった。しかしよくよく考えてみると、映画の配給収入まで計算に入れれば、グループ全体としては意外に黒字だったのかもしれない。いずれにせよ、そこまでして書籍を宣伝してくれるわけだから、書店や取次にしてみればありがたい話である。
ちなみに、小生は太宰治をほとんど読んだことがないし、読む必要を感じたこともないから、今後も読むことはないだろう。『人間失格』なんていかにも暗そうだし、自意識の過剰さがタイトルから滲み出ているから、手に取ろうという気もわかないまま現在に至る。昨夜の講義で豊さんが受講生に、「『人間失格』を読んだことのある人いますか?」とたずねたら、数名が手を挙げていたので小生は感心してしまった。小生の読んだことのある作品って、『走れメロス』と『桜桃』くらいかなあ、しかも両方教科書に載っていたから読んだだけという次第。
ということで、23:00前帰宅。家にたどりつくとなぜかカレーの作り置きがある。腹も減っていたので、ついついガツガツ食べてしまう。おかげで、今朝は胃もたれで起き上がる。いい歳をこいて、寝る前にバカスカ食べるものではない。しかも、先週からの飲み疲れの影響か、はてまた遊びすぎたか、お尻の穴は疼くし、体調がよくない。
6:30に起き出して朝食を食べてから、布団にUターン。目が覚めると9:00を回っている。あわてて家を飛び出すが、急いで出社してもろくなことがないと思い直し、悠然と池袋まで歩いていく。本日は初夏の陽気になるとかで、歩いているだけですでに汗ばんできそうだ。丸の内線に乗っていると、後楽園駅でケータイにS紙業H氏から電話が入る。「腹巻さん、いま、どこっすかー」「後楽園」「じゃあ、いまから、集金行ってもいいすかー」「やだ」、と電話を切る。10:20出社。
ところがその10分後にH氏がやって来る。断ったはずなのに。H氏によると、北越製紙紀州製紙を買収したそうだ。そんなビッグニュースを知らなかった。紀州製紙の製品では色上質紙という銘柄が人気であるが、これがヘンに変わらないことを祈っておこう。しかし、製紙業の買収・合併は目まぐるしすぎる。
そこでH氏が、「さあ、払え」「さあ、払え」とうるさく迫ってくる。「吸血鬼って知ってるか」とたずねると、「もちろん、知ってますよ」、「吸血鬼とは君のことだよ」。そういうわけで、吸血鬼に生き血を抜かれ、出荷作業をすることにする。出荷が終わったところに、今度はY印刷Y氏という別の吸血鬼がやって来る。ヤレヤレ。
「どのくらい血を吸いたいの?」「吸える限界まで!」。げに恐ろしきは吸血鬼なり。しかも世の中、吸血鬼ばかりでいやになる。長岡の吸血鬼にも生き血を抜かれ、しょうがないから二人で昼飯を食べに行くことにする。本郷の魚民の昼定食に行くと、やけににぎわっていて、店員がお客さんに対応できていない。長岡の吸血鬼が、「東京の米の味がやっとわかりましたよ」と言うからなんだろうと思ったら、ご飯がまずくてのどを通らないそうだ。そりゃそうだ、たっぷり生き血を飲み干したあとだもん。
会社にもどり、13:30お仕事開始。昨日からのM印刷さんの仕事の続きである。1時間もやっていたら、終わりが見えてきた。ところがそこに睡魔が押し寄せてくる。吸血鬼の次ぎは睡魔だ。あえなく睡魔にも敗れ、意識不明。15:00、ようやく起き出して、最後の微調整作業。そこにM印刷I氏が、先日納めたものの校正ゲラを持ってこられる。パラパラ見ると、それほどたいした直しではなさそうだ。16:50、M印刷S氏にデータを送信し、一丁上がり。
そこで自社の作業を進めないといけないのであるが、生き血を抜かれていて、気力がわかない。

太田竜氏死去 社会活動家(共同通信) - goo ニュース
特に感慨もないけれど、故人のご冥福をお祈り申し上げます。

日本人が知らない「人類支配者」の正体
船井 幸雄,太田 龍
ビジネス社

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