風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

福岡へ2021(02)

2021年06月09日 | 出版
しばらく待っていてようやく登場時間になったので、初めてスターフライヤーに乗り込んだ。スターフライヤーって、そもそもは羽田―北九州市間を結ぶ路線としてスタートしたはずである。しかし、北九州市の空港がどこにあるのかは知らない。シートが革張りとは聞いていたが、そもそも機体が大きくないので、1列が左右に3席ずつの6席だ。しかも、お客さんはガラガラ。航空会社には申し訳ないものの、これなら快適な移動になりそうな予感がする。しかし、ビデオのプログラムはさほど充実していない。
読み止しの本を読みつつウツラウツラしていたら、あっという間に福岡に近づいてきている。向かって右側の席に座っていたのだけれど、窓外には小さな島がいくつかプカプカ浮かんでいるのが見えてきた。そのうちの一つで、大規模な埋め立てでも行っているのだろうか、二つの小さな島の間に砂州のような線がある。二つを一つにドッキングさせてしまおうとしているのだろうか。どういう工事をしているのか気になった。
搭乗機が福岡空港への着陸態勢に入ったものの、ANAの場合と航路がちがうことに気がつく。ANAの場合は福岡市西区のヤフードームの方までグルッと迂回し、そこから南の山側に向かい、南から空港に降りていく。ところが、今回乗っていたスターフライヤーは、海側から東区の上を降りていって、つまり北から空港に向かっている。福岡空港が滑走路を1本増設したとは聞いていたが、それなりに過密なのだろう。そこを調整するため、各航空会社で、割り当てられているルートがちがうのかもしれない。そして飛行機は無事に着陸し、滑走路をターミナルに向かって進んでいく。これはANAでも一緒なのだが、最後に左折するとき、空港に隣接した空港通りに天ぷら定食屋さんひらおの看板が見える。もうお昼時である。出掛けに食べたお餅はすでに消化されていて、腹が減ってきた。
ようやく福岡空港のゲートを抜けると、迎えにきた義弟が待っていた。こちらはたいした荷物を抱えているわけでもないので、ご足労には感謝しておこう。そのままパーキングへと移動し、彼の車に乗ってひらおへと向かうことになった。そこでようやく理解したのだけれども、空港出口からひらおまでってかなり距離があるのだ。同じ説明の繰り返しになってしまうが、福岡空港の出口を抜けると、目の前に走る3車線の通りを空港通りという。それを右側に歩いていけば、通りの反対側に目指すひらおがある。そして先述のとおり、空港内からそのお店の看板が見えるから、歩いてもさほどの距離ではなかろうと勝手に思っていた。しかし、車で移動したら5分くらいはかかっている。ということは、歩いたら約30分ということになるのだろうか。
空港という巨大施設のなかで、小生の縮尺感が狂っていたのだろう。とはいえ、30分くらいの距離(往復1時間以上)ならば、余裕の徒歩圏ともいえる。それでも、遠いといえば遠いし、歩けるといえば歩ける。なんとも微妙な距離感だ。そこを車で連れていってくれたのだから義弟には感謝したいと記したかったのに、トラブルが発生した。地元では人気店であるひらお、週末のお昼時ともなれば、お客さんが行列をなしている。しかも、密は避けたいというくだらねえ主張を枉げようとしない妻と一緒である。小生も、たかが昼飯のために並ぶのもいやだ。
福岡くんだりまで来たものの、お目当てであったひらおはあきらめるしかない。小生の残りの人生のなかで、福岡まで行くことがあと何回あるのかはわからないものの、ひらおでイカの塩辛を食すという機会は、確率的にずいぶんと下がってしまったように感じる。もしも、お店がテイクアウトの瓶詰めなんて提供していても、それは食べたくない。お店のテーブル上のどんぶりに盛られた塩辛を食いたかっただけである。地元ならではの食しかたを求めていた。それはかなわぬ夢になってしまったのかな。
3密忌避などというバカげた信仰の保持者である妻の顔を立ててひらおは諦め、とにかく昼飯を食べられるところに向かうことになった。結局、国道3号線バイパス上にあるウエストなるうどん屋さんに入ることになった。その日、小生の指向は塩辛モードであっただけに、それがダメならあとはどうでもよろしい。そこの、そこそこ美味しいゴボ天うどんとなにかのセットを食したけれど、さしたる感慨も浮かばない。
隣りのテーブルでは、幼子(男子)とその母親とさらにそのババサマとで注文した品が届くのを待っていた。その姿をチラチラ観察していたら、笑いがこみあげてきた。母親もババサマも、手元のスマホに夢中なのだ。そしておそらくは、そのガキが泣き喚くのも日常なのだろう。だれにも相手にされていないガキは駄々をこね始め、店内で泣き喚き始めた。「オレの存在を!頭から輝かさせてくれ ! 」てなもんだ。ババサマがさすがに見かねて、ガキを外に連れ出す。母親は我関せずとばかりにスマホをいじっている。いまの家族関係ってすごいなあというのが、笑いがこみあげてきた理由だ。

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