風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

豆腐をいただく

2020年05月11日 | 出版
広い意味での5月の連休が終わり、会社に向かって歩いていると、出勤者が増えてきたように感じる。そして暑い。天気予報では夏日になるでしょうとのことであった。しかし、行き交う人々の服装はさまざまだ。小生のようにTシャツ姿の人、スーツ姿、はたまたダウンを着ている人やらジョギングスタイルまで冬から夏までが一緒くた。厚着をしている人を見るとさすがに、熱中症で倒れるんじゃないかとこちらが心配になってしまう。そして一様に、全員がマスク姿だ。マスクをしていないのは、小生を含めて極々少数派である。それでも、そろそろ東京のコロナ騒ぎもひと段落しそうであるうえ暑くなっていくから、これから非マスク派も増えていくことだろう。
そこで、本来はジョギングで会社に向かいたかったものの、連休中の走りこみによるものなのか、右の太もも裏が痛くなってしまっている。疲労がたまってしまったものと勝手に思い込んでいるので、悪化させないよう、歩いて会社に向かうことにしたのだ。そして本郷までたどり着くと、日常がもどったかのような歩行者の量である。とりあえず、本日は出社し、これからの出勤シフトを決めるという会社が多いのだろうか。どこが緊急事態かという様子で、早々休んでばかりもいられないという各社の危機感は伝わってくる。
仕事でもしようかとパソコンを立ち上げると、電話に留守録が入っているのに気がつく。聞けば、E氏からである。どうでもいいような用件なのに、同じ話が2本も入っている。折り返しの電話をかけてもつながらない。なんだよという気分で、仕事を始めたところにE氏から電話が再び入る。「宮城から豆腐が送られてきて、いま、みんなにおすそ分けするため回っているんだけど、腹巻くん、きょうは会社にいる?」「はいはい、いますよ」「それじゃあ、四谷を回ってからそっちに行くけど、どうやって行くのが速いの?」「丸の内線で本郷3丁目まで行くのが速いですよ」「了解。それじゃ11:30から12:00までの間には着けると思うから、あとでね」豆腐はありがたいけれど、気忙しいお方だ。
ところで、今週は小生もせわしい。忙しいけれど、長時間の労働はなるべく避けたい。17:00になったら、とっとと仕事は放棄し、ドリンキングタイムにすることにしている。なぜなら、そんなに集中が続かないからだ。それは加齢で体力が低下しているということではなく(それもあるけれど)、集中の持続には時間的な制限がどうしてもつきまとうからである。長時間なにかに集中しているなんて並みの人間にはできないし、集中しているつもりでも、どうしても意識が低下してしまう瞬間が訪れる。しかも、そのときに限ってミスをしてしまうものなのだ。そのため、最後の土壇場の徹夜覚悟となるような場合以外は、なるべくさっさと終わりにするようにしていると、言い訳をしておこう。
以前勤めていたF社の先代社長は、「5時半になったら仕事をやめて、みんなで焼酎を飲む」というポリシーを持っていた。あまりに馬鹿げたポリシーであるのは言を俟たない。しかもそれが日常であった。そんな会社でもツブれなかったのは時代がよかったからだ、のひと言に尽きる。そこでその先代に言わせれば、「俺たちは毎日、極限まで神経をすりつぶして仕事をしているんだ。そんな状態を長く維持できるわけがない。だから、夕方になったら焼酎を飲んでリラックスしなければ、自分を保てないだろ」との理屈である。しかし、その先代が極限まで神経をすりつぶしている姿など、ついぞ一度も見たことはなかった。そのゆえに、その理屈のアホさ加減を、小生は身をもって理解している。ところが困ったことに、その5時半で仕事は終わりという体質だけは受け継いでしまっている。しかも、それが30分は早まっている。
それで仕事をしていると、11:00過ぎにE氏からまた電話がある。「腹巻くん、ゴメン。予定よりかなり遅れそう。午後も会社にいるの?」「いますよ。お昼くらいに来るんだったら、そばを作るつもりなんですけど食べますか?」「いや、その時間はなさそう。適当に食事しておいて」ほんませわしないお方や。そこで正午になったので、味噌汁そば(ダシ汁にそばを入れて茹でたところに味噌を投入する)を作って昼飯とする。それで満腹となったところにE氏登場。タイミングの悪い人やなあとは思うものの、それはそれでいたしかたなし。
そして、宮城県から送られてきたというくだんのお豆腐をいただくことになった。なんでも、その豆腐を作ってこられた豆腐屋さんが、このコロナ騒動を機に閉店することにしたのだそうだ。そこの現社長の先代さんが始められた豆腐屋なので、かれこれ何十年の歴史をお持ちの豆腐かと思うと、これは心して食さねばならないなあと感じた次第である。いろいろと工夫された豆腐を提供されていたメーカーであっただけに、なんとも残念だという思いは残る。

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