静かに 眠り続けるひとに。
さくら物語 2
ああ桜の花が
咲いているのですね
傍目には
眠り続けているように
見えるでしょう私ですが
動けないようでも
意識がないようでも
すべて感じて
分かっています
貴方が欠かさず
毎日見舞いに来てくれるのも
そんな
貴方の心が
ここにはない事も
私を見舞うという
義務を終えて
今日はどこにおいでになるのでしょう
貴方は
抱えているのは
スケッチブック
それとも
楽譜?
そして
朝夕欠かさない祈り
そのどれにも
勝てなかった私は
貴方を独りじめしたくて
こうやって眠りについた
ずうーっと私だけを
看て欲しかったのに
いつも一人ぼっちで
病室にいる
ああ
花の匂いがします
桜を愛でた私の枕元に
毎年一枝を挿してくれて
もう三度目の春なのですね
とうとう
私だけのものにならなかった
貴方
私は眠り続けるのにも
力尽きてしまいそうです
せめて 負けるのが ひとであったら。
風呼r でした
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