ピカソについて語らせて
パブロ・ピカソは 失読症だったと言われています。 天才に多い学習障害の一種
です。 アメリカの映画俳優の トム・クルーズも失読症だったそうで シナリオ
は誰かに読んでもらい 耳で覚えたそうです。
ハーレムの小さな手品師
大好きな従妹のマリアが言う
「ねぇパブロ
K夫人ご自慢のニューファンドランド犬を
切ってちょうだい!」
「うん、いいよ
どこから切ろうか」
「しっぽ、しっぽ!」
一日中 刺繍をしている
エロイザ伯母さんの鋏を借りて
パブロは一気に切り抜いてみせる
「ねぇパブロ
今度はロバを描いてちょうだい」
「うん、いいよ
どこから描こうか」
「耳! 今日は耳からがいいわ」
パブロは迷わず
ロバを耳から一筆で描きあげた
あの大きな眸の奥には
精巧なカメラがあるらしい
一度など
エロイザ伯母さんの想い人を
切り抜いて壁に貼り
伯母さんの秘密を 皆に
ばらしてしまった
こんなに利発なのに
パブロは小学校が嫌い
困り果てて父さんは
友達が校長の名門小学校に
転校させたが
やっぱりパブロは馴染めない
1+1= ? これは何?
1+1= しっかりこの図は覚えたが
=の後に どうして 2 と
付け加えて書かなければならないのか解らない
じっと座っていられないから
着席さえしていればお咎めなし
けれど絵を描いている時以外
じっと座っていられない
きれいな校長先生の奥さんの
お尻ばかり追いかけて
ニューファランド犬は カナダ産の犬を 水難救助用に イギリス人が改良し
当時大変に 珍しく話題になっていました。 現在日本で 子供の夏休みな
どに上演される ミュージカルの ピーターパンに出てくる(原作ではセント
バーナード犬らしい) あのむく犬です。 毛がよく水をはじき 水かきもある
そうです。
エロイザ伯母さんのしていた刺繍は当時の(何て言ったて19世紀終わり、
日本で言えば 明治の20年代です) 未婚女性の ただ一つといっていい 内職だったのです。
大好きな母は 二人の妹の世話で忙しく パブロは 情緒不安定になりました。
この時期 父親を頼り 学校へ行く代わりに 父親の大事な物、ステッキとか
絵筆とか 時には 父親の飼っている 生きた鳩を 持って行きました。 そう
すれば父親が困って 早く迎えに来てくれると 思ったからです。 鳩は
良かったのです。 机に置いて ずっとデッサン出来たから。
従妹マリアはパブロの命の恩人、サルバドーレ叔父さんの娘。 パブロより
1,2才年上で パブロの初恋の人と 思われます。
ルイス一家は ラ・コルーニャへは 家族5人だけで 赴きます。
パブロは 大好きな従妹たちに ラ・コルーニャから 度々 絵新聞を作り
送ります。
風呼 でした
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