ピカソ・マニマニア

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『 運命と復讐 』  ローレン・グロフ著

2020-01-25 16:32:20 | 

 

久し振りにこんなに分厚い本を読んだ。

 

『蜜蜂と遠雷』以来かな。

 

この ある夫婦の物語は 二部からなっています。

一部は 夫の生い立ちと 夫側からの結婚生活。

 

二部は 夫の思い至らない妻の生い立ちと 題名にもある通りの 復讐。

 

一部を読んでいる時は 何で題名に 復讐 とあるのか全く詮索出来なかったのですが 二部は完璧ともいえる妻を演じていた マチルド と名乗る女性の その人生への計算づくの復讐劇だと 明かになっていきます。

大富豪の息子だが マチルダとの結婚で勘当されていた ロット(ランスロット)と呼ばれていた夫を支え、劇作家で大成功させる。

夫は理想の妻に出会い それまでのふしだらな生活を改める。

 

ロットは40代半ばで突然死んでしまうが 死の直前に妻の過去の一部を友人に知らされる。

 

マチルダは 計算ずくの結婚と割り切っていたが 夫の死後、深く愛していたと気遣き、復讐の最後の仕上げに歯止めをかける。

マチルドの過去を知っても 義妹と義叔母の変わらぬ優しさに かたくなな心がほどけてゆきます。

 

古典に基づいた戯曲作家の話なので 例えとか私にはハードルが高く よくわからないところも多々あったのですが、絶妙な( )での説明や 日本語訳につけられた 英語をカタカナにしたルビに助けられ 何とか読了しました。

 

最後に思いがけない出来事が待っていて マチルドの希望が共有できます。

 

 

2015年刊のこの本は オバマ大統領を始め 全米で高く評価されたそうです。

 

作者 ローレン・グロフ (女性) は 1978年生まれ。

訳者 光野多恵子(1953年生まれ)は 私のジム仲間です。こんな凄い人とは知らず。

 

 

 

     by  風呼               

 

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