道尾秀介の小説は 一作一作 傾向が違う。
同じ人が書いているとは思えないほどだ。
私が読んだ本は全部文庫本なのですが 何と出版社も一作ごとに
違うのです。
”球体の蛇” は 角川文庫
”シャドウ” は 創元推理文庫
”カラスの親指” は 講談社
”骸の爪” は 幻冬舎文庫
”向日葵の咲かない夏” は 新潮社
そして今日読み終えた
”光媒の花” は 集英社文庫
ジェ ジェ じぇー !!!
光媒の花 は 2007年から 2009年に書かれた6つの章からなっています。
例えて云えば そこそこ大きな川の ある場所に係わる人々を
描いていて その人たちは何気に繋がって見える。
道尾作品に共通するものがあるとすれば 強引な結びつき が
余りなく 詩情豊かな短編集です。
風媒花、虫媒花
かやつり草はね
風に花粉を運んでもらうから
こんなに地味に咲いていいんだよ
綺麗に咲く花はね
虫に花粉をつけて貰わなくてはならないから
芳しい匂いまで放ち 誘うんだ
父さんが死んで
母さんと3人の生活の姉さんは
風媒花のようだと思っていた
違うんだ 違うんだ 僕の姉さんは
絶望の底でも 光に導かれて開く
特別な花 光媒花
by 風呼