20年前には ここに改札があった。
カプセルの家
一緒に帰ろう
同じ駅で下りる 私遠回りだけれど
この踏切から貴女の家まで
ほんの2分 いいわね駅から近くて
次に遮断機が上がったら
私 渡って帰るね
あっ また下がった
真っすぐ伸びた線路の先に 太陽が
西半球を真っ赤に染めて日暮れるまで
20年ぶりに降り立った駅は
高架になっていて
踏み切りのありかも
彼女の家も見つからない
昔の友とは連絡を絶ち
老いた母と未婚の姉と彼女とあの家で
今も ひっそり暮しているという
3を一つ足して
電話番号はあの日のまま
(今日はありがとう でももう電話をしないでね)
昭和という時代に覆われた
カプセルの家で
世紀まで変わったのにも頓着せず
彼女はどんな姿で生きているのだろうか
ひっそりと(何故か3人で) 時間を止めて生きている家の 多さ。
風呼r でした