ピカソ・マニマニア

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カプセルの家

2011-06-29 23:51:00 | 詩作

20年前には ここに改札があった。

 

 

  カプセルの家

 

一緒に帰ろう

同じ駅で下りる 私遠回りだけれど

 

この踏切から貴女の家まで

ほんの2分 いいわね駅から近くて

 

次に遮断機が上がったら

私 渡って帰るね

 

あっ また下がった

 

 

真っすぐ伸びた線路の先に 太陽が

西半球を真っ赤に染めて日暮れるまで

 

 

20年ぶりに降り立った駅は

高架になっていて

踏み切りのありかも

彼女の家も見つからない

 

昔の友とは連絡を絶ち

老いた母と未婚の姉と彼女とあの家で

今も ひっそり暮しているという

 

3を一つ足して

電話番号はあの日のまま

(今日はありがとう でももう電話をしないでね)

 

昭和という時代に覆われた

カプセルの家で

世紀まで変わったのにも頓着せず

彼女はどんな姿で生きているのだろうか

 

 

 

ひっそりと(何故か3人で) 時間を止めて生きている家の 多さ。

 

        風呼r  でした        

 

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