goo blog サービス終了のお知らせ 

ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
カテゴリーのピカソを クリックして下さると 嬉しいです。

" 夜たちの手帖 ”  マリイ・ロオランサン 著

2021-12-10 15:43:49 | 

石村幹子(1900~1986)さん訳の散文集です。
わずか58ぺージの こんなに小さな函入り。


    
普通本100部のうち 第42番とあります。
1960年12月25日発行。 定価300円。


内扉には何故か 三井ふたばこさんからの贈呈の署名が。

      

三井ふたばこさんは 詩人で仏文学者の 西條八十さんの長女、 詩人として有名。  石邨幹子さんとお知り合いだったのでしょうか。


ロオランサンの詩は 短く、一枚の小さな絵画のよう。 
訳者によって 読み手の心の入り方が違うと気づき  ”夜の手帖” (大島辰雄訳)の方が有名なのですが、石井幹子さんの訳で読んでみたいと思いました。
私には 石井さんの訳の方がしっくりきます。


一枚だけ挿入された 絵。
彼女独得の色彩がないのに 創作欲を掻き立てられます。

     


珠玉の本を手に入れました。

それにしても 石邨幹子さんって どんな方だったのでしょう。


     by  風呼






    
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マリー・ローランサン   フロラ・グルー著

2021-12-05 18:00:45 | 

マリー・ローランサンは 1883年10月30日に メラニー・ローランサンの私生児としてパリで生まれました。 父親は家庭のある代議士で、その死までローランサンの元を訪ねていたそうです。

ノルマンディー出身のメラニーが何故パリで未婚の母になったのかいきさつは分かりませんが 修道女を目指していたという彼女は マリーを静かに育てた様です。

著者の フロラ・グルーは マリーの生涯の友であった 二コラ・グルーの娘です。

著者の生まれる前からグルー家と交流のあった マリーとは 絵のモデルになったり家族同然の付き合いでした。

全編に著者のローランサンに対する愛と憧憬が満ち溢れています。

優しい筆致は 読むものの心を温かくします。

    


私が ローランサンに関心を持ったのは 彼女自身の著作『夜の手帖』に収められた ” 鎮痛剤 ” という詩を読んでからでした。


    鎮痛剤

 わびしいというより悲しい
  悲しいというより
    ふしあわせ
 ふしあわせというより
  苦しい
 苦しいというより
  見すてられて
 見すてられたというより
  ひとりぼっち
 ひとりぼっちというより
  追放されて
 追放されたというより
  死んでいる
 死んでいるよりも
  忘れられた女(ひと)。
 
       石邨幹子訳



唯一無二の作風は その詩心にあった。

1989年の全国学校図書館の選定図書です。


     by   風呼


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 朱夏 』   宮尾登美子著

2021-10-02 13:51:11 | 

宮尾登美子さんの 自伝的小説です。

女衒という父親の職業を嫌った 主人公綾子は 自立すべく 女学校を中退して 17才で小学校の代用教師になります。 父にも義母にも愛されるのですが 愛人の子というのもコンプレックスでした。
そこで出会った要という教師と結婚をして 土佐の満蒙開拓団の小学校に 赴任する夫について 生後50日の女児と共に向かいます。

昭和20年から21年にかけての 満州での過酷な綾子19才から20才、530日の記録です。

風呂にする水はおろか まともな飲み水もない 過酷な満州で 上等な着物をとっかえひっかえ着替える綾子は その持ち物を満人に狙われ 敗戦後にそっくり取られてしまいます。

糸も針もないので繕いも出来ない破れた着物のままで 難民収容所で過ごします。
毎日毎日コーリャン粥一杯の二度の食事、乳飲み子を抱え どんなにお代わりが欲しかったか。
進軍してきたソ連軍の兵士が 女漁りをするのですが 余りのみすぼらしさに乞食と思われ見逃された。

ソ連の兵士は 満人と比較にならない恐ろしさだったそうです。

引揚の話はどれも凄惨で ちゃんと読み終えられるか心配でしたが 主人公の育ちの良い明るさが 読み手を最後まで引っ張ってくれました。


「出来る事なら書きたくなかった」
引き揚げからから 40年を経て書かれた作品です。


    by   風呼

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 蒲生邸事件 』  宮部みゆき著

2021-07-07 17:47:46 | 
 
予備校受験の為 平河町の古いホテルに泊まっていた孝史は 夜中にホテルの火災にあう。  逃げ場のなくなった孝史を宿泊客の男が助けてくれるが 2階から2人が降り立ったのは 雪の降り積もった所だった。

ホテルと同じ場所ではあったが そこは1936年2月26日、226事件の現場近くと判明。

孝史を助けてくれた男は 平田といいこの日からこの屋敷の使用人として雇われるらしい。怪我をしている孝史は 奉公先から逃げてきた甥ということで彼の部屋に匿って貰うことになった。

西洋風のこの屋敷は 蒲生憲之という元陸軍大将の住まいだった。
この日決起した皇道派の将校たちとは近しい人だったので責任を感じたからか大将は拳銃自殺をする。
戒厳令が敷かれる事態に主治医が呼ばれるが 肝腎の銃が見つからないので 
大将の死は伏せられたまま そこに住む人たちの疑心案着の探り合いが続く。

タイムトリップのSFなのか サスペンスなのか 物語の主旨がよく分からないので何度も読むのを止めようと思ったが 後半になるに従って 人情ものに近くなっていくので何とか読了。

タイムトリップと知った この家の若い女中のふきと 孝史が来た1994年の4月のふきの誕生日に 再会を約す。 現代に還った孝史にとっては50日後だが ふきにとっては58年後の事だ。


孝史という18才の青年の 1週間足らずの 成長記録のようでもありました。


日本SF大賞受賞。
この後、宮部みゆきさんは 直木賞も受賞されます。



    by   風呼
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 マスカレード・ナイト 』   東野圭吾著

2021-06-12 14:25:20 | 

12月31日午後11時 ホテル・コルテシア東京の カウントダウンパーティに 未解決の殺人事件犯人が現れる。

匿名通報ダイヤルに通報があり 警視庁が張り込む。

匿名通報ダイヤルは2007年から始まった 警視庁から依頼を受けた民間の非営利の団体が運営している。

数年前のこのホテルでの殺人予告で(『マスカレード・ホテル』)フロントにホテルマンに化けた若き刑事の新田が 再び同じ任務につく。  バディだったフロント係の山岸尚美は コンシェルジェに昇格していた。

500人もの仮装客の中に 本当に犯人はいるのか。

木村拓哉と長澤まさみのキャストで 映画化されているそうです。
500人の 仮装は見ものだと思います。映画の方が面白いかも。
同キャストの映画”マスカレード・ホテル”も 面白かったそうです。


   by   風呼
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 紅い砂 』  高島哲夫著

2021-06-05 15:38:24 | 
軍事政権と 麻薬組織に牛耳られた 中米の(架空の)国、コルドバからの難民が米国を目指してメキシコ国境に押し寄せた。

国境の壁(Wall)を越えさせまいと阻む米兵隊。

突然 銃撃戦になり 難民側に多数の死傷者が出る。

この映像は全世界で放映され 隊長のジャディスは責任を取って除隊させられる。

不遇をかこうジャディスに 一年後、ある依頼が舞い込む。

これ以上難民を出さない為にコルドバに潜入し、捕らえられている政治犯を救い出し 軍事政権を壊滅させるというもの。  

費用はコルドバの将軍側近に テロで妻と娘を殺され 自身も両足を失った アメリカの大富豪から出る。

麻薬組織と政府軍をまず戦わせ、双方の戦力を弱めるが 圧倒的に人数の少ない民兵でいかに戦うか。


2020年4月の書き下ろしなので 2018年11月の 中米のホンジュラスからの難民が メキシコ国境付近で トランプ大統領に入国を阻まれた出来事を参照していると思います。 トランプ大統領は 難民の足を撃て と言ったらしい。

   
国境の壁は 2006年(ブッシュ大統領)頃から断続的に造られているそうです。 反対論も多く 遅々として進んでいないと言うことです。

     
貧困に苦しむ ホンジュラス・グアテマラ・エルサルバトル。


ナ、訳ないだろ。 と 思いながらも はらはらドキドキしながら読了しました。

面白かったです。



     BY  風呼

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 フロリダ 』  ローレン・グロフ 著

2021-04-29 18:06:38 | 

副題は 「丸い地球の どこかの 曲がり角で」

ニューヨークで生まれ育ち 結婚と同時に フロリダに移り住んだ作者の 自身を投影したかのような 2018年に発表された11の短編集です。

ローレン・グロフは 1978年生まれ、2015年の長編 『運命と復讐 』で 注目されました。

蛇と鰐とハリケーン、蒸し暑いフロリダが どの作品にも描かれています。



ポール・サイモンの歌 ♪グレイスランド♪ から付けられた「亡霊たちと抜け殻たち」   幼い息子たちをガミガミ怒鳴る自分に嫌気がさし 子供の寝かしつけは夫に任せて ランニングに出る彼女が見る 彼女自身も含めて亡霊や抜け殻のような人々。


ジョン・ダンの宗教詩から取られた言葉「丸い地球のどこかの曲がり角で」
爬虫類学者の父親が 毒蛇に咬まれて死んだ。数十年後 一人ボートで池をさまようジュードの前に父の亡霊が現れる。


「犬はウルフッ! と鳴く」  孤島に母親に置き去りにされた7才と4才の姉妹。 放した犬は野生化していき 骨と皮だけになって助け出された二人は 幽霊のようだった。


フロリダパンサーが目撃される森の古い狩猟小屋で幼い子供たちと3人で過ごした一夜「ミッドナイト。ゾーン」  


O・ヘンリー賞を受賞した 「ハリケーンの目」  ハリケーンの避難勧告を無視して家に居続ける女性が出会う 亡霊たち、


「愛の神のために、神の愛のために」  神の愛のために には お願いだからの意味があるそう。  裕福な家に育ったジュヌビエーブと 学資ローンの返済に苦しむアマンダ。 フランス在住のジュヌビエーブをアマンダが訪ねるが。


母親の介護を押し付けられた三女が 一年の内一ヶ月だけ姉たちに介護を代わってもらい訪れた 「サルバトル」 での出来事。


18世紀の博物学者に恋をする 「フラワー・ハンターズ」


大学の教職を解雇され ホームレスになっていく女性を描いた 「天国と地獄」  作者はプロテスタントのカルヴァン派の家庭に育った。カルヴァン派は生前の行いとは関係なく 天国に行くか地獄に行くかは 生まれた時に神に決められている のだそう。


ジョギング中に 血まみれの少女を発見、介抱したが 警察にも行かず逃げて行ってしまった 「スネーク・ストーリーズ」


高校時代フランスに交換留学で行ったときに嵌った モーパッサンを研究しようと 子連れでその生地に行くが そのとんでもない一生に興ざめしていく 「イポール」 イポールはモーパッサンの生地。




一話一話が重く考えさせられるので 一気には読めませんでした。
30代~40代の女性の閉塞感が良く出ていると思います。詩的な表現が多く救われました。

的確な注釈は開いたページの左側にあり 読みやすい。
訳者の後書きも親切です。



私は昨年の今頃、ミシガン州の私立探偵のシリーズ話を読んでいて、そこには 冬には湖が カナダと行き来できる程凍るという、ミシガンに住む人はこぞって お金をためて老後は暖かいフロリダに住むのを夢見ている と繰り返し書いてあったので もっと楽園のようなところかと思っていました。フロリダはフロリダで 住みにくい点もあるのですね。



    by   風呼   
     



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 玉電松原物語 』  坪内祐三著

2021-04-08 00:07:40 | 

 

ちょうど一年前に62才で急逝された 坪内祐三さんの最後のエッセー集です。

 

著者が3才の1962年ごろから 2000年頃までの 玉電松原駅を中心の沿線の様子が描いてあります。

 

    

 

同じころ私は小田急線の経堂駅の隣の千歳船橋に住んでいて(地図の左上方)著者の通っていた経堂駅北の赤堤小の隣の 緑ヶ丘中学校を卒業しました。

第二学区、私が進学した都立高校には このあたりから通ってくる人も多かった。

著者が進学した松沢中は越境入学の多いレベルの高い中学で 私の通った緑中は不良が多いので有名だったそうです。 知らなかった。

中学の仲良し三人は 桜上水・京王線のその隣駅の上北沢・経堂 に住んでいてよくお互いの家を行き来したので 懐かしく読みました。


松原あたりは 1970年頃まで牧場があったそう。鶏を狙って狐も現れることがあったそうです。

   
小遣いに不自由しなかったとは言え 小学時代の著者の金遣いの荒さに仰天。
好奇心のままの自由な行動にも驚きです。
小学生にして 博識でならし、体の大きさもあって恐いものなしだったよう。


     
著者は 週刊文春に 亡くなられるまで 「文庫本を狙え!」という書評欄を持っておられ 毎号楽しみにしていました。
無くなって とても寂しいです。


    by   風呼     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

” レキオスの生きる道 ”  高嶋哲夫著

2021-03-25 22:01:17 | 

 

沖縄コンフィデンシャルシリーズの 交錯捜査・ブルードラゴン・楽園の涙 に次ぐ 4冊目、完結編です。

 

大学時代に観光で訪れた沖縄に魅せられ、卒業後沖縄県警の刑事になった 反町雄太28才が主人公。

検察庁から来た準キャリアの赤堀、同期でハーフの天久(あまく)ノエル、海兵隊MPのケネス の同年代と

反町の相棒のベテランの叩き上げ刑事の具志堅が 微妙に距離を取りながら 事件解決に挑みます。

 

中国マフィアが絡んだり 危険ドラッグが出回ったり、米軍基地の利権がかかわったり。

コンフィデンシャル=公開しないこと 内密であること が描かれます。

 

本作の レキオス とは ポルトガル語で琉球のこと。

普天間基地の辺野古移転を阻止する「美しい海を守る」 女性知事が誕生するまでが描かれています。

 

    

辺野古は即埋め立て中止、キャンプ・シュワブの中に飛行場を作り普天間から移転、兵舎はキャンプ外に建てる。

筈。

 

前知事は 知事に当選するには基地反対を唱えなければならないので 自民党を離党して当選した。

自民党とも共産党ともつながりがあった。

そういえば任期半ばで死亡した そんな知事もあったなあ。

 

 

   by   風呼      

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

” マイ・アントニーア ”  ウィラ・キャザー著

2021-03-10 04:57:36 | 

 

アメリカのピュリッツァー賞作家 ウィラ・キャザー(1873ー1947)が1918年に発表した小説です。

 

ジムは10才の時 ヴァージニア州で農業を営んでいた両親が相次いで亡くなったので作男と共に ネブラスカに住む祖父母の元に引き取られる。

ネブラスカはアメリカのほぼ真ん中、夏は暑く、冬は寒い 大平原の州だ。

 

道中でボヘミアからの移民の一家に出会う。

片言の英語を喋れるのは 唯一 ジムより3,4才年上の アントニーアだけだった。

祖父母の農場の近くに住むという。

同郷人に騙されたも同然で買った そこは荒れ果てた草原で 住まいは横穴だった。

 

    

 

ジムの祖父母は人格者で 貧窮に喘ぐ一家に 優しく手を差し伸べるのだった。

 

器量も気立てもいい働き者のアントニーアは 祖母のお気に入りになった。

ジムはアントニーアに英語を教えたり 一緒に野原を走りまったりしていたが 13才になったので学校に行くために町へ引っ越した。

 

祖母はお気に入りの 男に交じって肉体労働もするアントニーアを救おうと 隣家の女中の職につける。

 

町にはそんな同じ境遇の同年代の女の子がたくさんいた。彼女たちは学校はおろか英語も満足に話せない移民の子だった。やがて アントニーアもその娘たちの影響を受けるようになり 隣家をやめて自由に生きるようになる。

 

ジムはその後地元の大学からハーバード大学に進み ニューヨークで弁護士として成功する。

 

およそ20年後、ジムは仕事のついでに アントニーアの元を訪ねる。

アントニーアは11人の子の母親になっていた。

働き者で徐々に土地も増やし 子供たちの一人も働きに出なくてもよい生活ぶりだった。

 

ジムには上流階級出の妻を貰ったが 子供はない。

 

町に働きに出た娘の何人かは 母親に家を建ててやったり 金儲けした者もあったが 成功した彼女たちは結婚は敢えてしていなかった。

 

歯は抜け 昔のように美貌ではなくなったが 心根は昔のまま、誰からも愛され大地のようにどっしりと構えている 圧倒的なアントニーアの存在感。

家族の愛を疑わない一家の ありようには つけ入る隙がない。

 

 

今年のアカデミー作品賞候補の 『ミナリ』の監督の リー・アイザック・チョンさんは この小説に感動して映画化を望むも 作者が映画化の禁止を遺言していた。 自身も韓国からの移民で 同じような体験をしていたと気づき その体験を映画化したそうです。

全米が共感した。 アメリカは移民の国だから 多かれ少なかれ みんなそんな道を通ってきたからです。

ミナリとは韓国語で 植物のセリの事だそうです。

 

 

久し振りに正しい姿勢で読みました。

 

    by   風呼      

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

" 楽園の涙 ” 沖縄コンフィデンシャル  高嶋哲夫著

2021-03-04 19:20:21 | 

”交錯捜査” (16年) ”ブルードラゴン” (17年)に次ぐ 沖縄県警物の三作目です。

 

大学時代に訪れた沖縄が気に入り 沖縄県警で刑事になった反町雄太(29才、一作ごとに年を取っている)と県警の同僚の天久ノエル・検察庁から出向の準キャリアの赤堀寛憲と アメリカ軍海兵隊MPのケネス・イームス、反町の相棒の定年まじかの叩き上げの刑事具志堅正治の  文字通りのコンフィデンシャル(部外秘、国家機密の の意味)の捜査活動を描いています。


 ”交錯捜査” ”ブルードラゴン” とも話がつながっていて 順番に読むと解りやすい。

 

沖縄基地返還に伴うカジノがらみのリゾート地建設の利権争い。

だがその裏に隠された政治がらみの事実があった。

その証拠のフラッシュメモリ(記憶装置)の存在を巡って 殺人事件が多発する。

中国マフィアも絡んでいるらしい。

 

前作にも登場した 中国マフィアのチャンが逮捕されるのですが もっと裏がありそうです。

 

”楽園の涙” とは 美しい海、温暖な気候の楽園のよう な沖縄の人々が 第二次大戦での過酷な運命を思い起こして 流す涙 なのでしょう。

島民の三分の一が死に 爆弾で受けた傷の後遺症のある人も多い ウチナンチューの気持ちは ヤマトンチューには 到底わからない。

 

なのに ウチナンチューは ヤマトンチューに 限りなく優しい。

 

 

      by   風呼      

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 ブルードラゴン 』 沖縄コンフィデンシャル  高嶋哲夫著

2021-02-20 17:41:22 | 

 

コンフィデンシャル とは 公開しないこと 内密であること 。

 

沖縄が好きで県警の刑事として住みついた 26才の反町と 同期のノエル・検察庁の準キャリア赤堀の3人を描いた 沖縄県警シリーズの『交錯捜査』に次ぐ第二弾。 2017年刊。

 

沖縄と東京で 一般人に危険ドラッグがらみの事件が多発。

それはゾンビドラッグと呼ばれ、顔を食いちぎったりもする 人を狂暴にさせるものだった。

東南アジアを拠点とする ブルードラゴンと呼ばれるマフィアの仕業らしい。

沖縄にも製造拠点があるらしく 一般人に安く売って ドラッグの性能を確かめているらしい。

 

黒幕は 米軍の 元上官に恨みを持つ 脱走兵の将校らしい。

右腕に ブルーのドラゴンのタトゥがある。

 

米国では 少しでも黒人の血が混じっていれば 見た目は全くの白人でも黒人として扱われるという。

ブルードラゴンは 見た目は全く(とびっきり魅力的な)の白人だが 祖父が黒人なので 優秀なのに昇進がままならなかった。

米兵との混血の多い沖縄だが 肌の黒い子への いじめは激しく 親族からも嫌われるそうだ。

 

東京と沖縄の危険ドラッグ販売網は抑えられ ドラゴンタトゥの男も逮捕された。

 

内密に犯人逮捕に協力した者を 何とか司法取引で 罪を軽くしたい。

公にはできないが と 反町・ノエル・赤堀は思う。

 

 

    by   風呼      

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 交錯捜査 』沖縄コンフィデンシャル  高島哲夫著

2021-02-16 15:32:10 | 

 

大学時代に訪れた沖縄に魅せられた反町は 沖縄で刑事になる。

 

那覇市内の高級ホテルで 男女の遺体が発見された。

心中と見られたが 女から検出された体液は この男性のものではなかった。

 

反町のバディの沖縄出身の叩き上げ刑事、 同期の女性警官、警察庁から来た若い準キャリアと この難事件に立ち向かう。

 

やがて容疑者の遺体が海中から発見される。

事件は一件落着となるが 反町たち4人は 麻薬と米軍用地利権が背景にあると睨む。

どうやら中国マフィア、政府の要人が絡んでいるらしい。

 

 

米軍用地借用費は 沖縄全体で年間一千億円になり 全額日本政府の負担らしい。

賃料は年々値上がりする優良物件だという。

 

この殺人事件は 被疑者死亡で片を付けられる。

 

 

取り敢えず読み終えたが 消化不良だ。

これはシリーズものと気づいたので 次作を読みます。

 

 

     by   風呼      

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 イントゥルーダー 』  高島哲夫著

2021-02-09 00:52:44 | 

 

自ら開発した 世界最速のスーパーコンピュータの完成発表を真近に控えた羽嶋は 11月27日夜、一本の電話を受ける。

それは25年前、少しの間だけ同棲、ある日突然姿を消した女性からのものだった。

 

存在すら知らなかった 自分の息子が交通事故で瀕死の重傷だという。

兎に角 病院に駆け付けたが 彼は集中治療室で意識は全くない状態だ。

 

深夜の新宿で酔っ払って車に轢かれたという。

ポケットから覚せい剤が発見され 本人からも陽性反応が出ていた。

 

一度も会ったことのない息子だが 生前の様子を聴いているうち 羽嶋は 殺された可能性が強いと確信する。

 

息子は 父親である自分の事は知っていて 父親を超えたいと願っていた 優秀な男だったことも解る。

 

日本海側に現在建設中の原発が 活断層上だと知って 世間に公表しようとして 殺されたのだ。

 

息子の名誉のため 真相を暴こうとした羽嶋に 身の危険が迫る。

 

 

新開発のコンピュータのお披露目まで間がないのに 悩まされ続けるパグ退治と平行して 物語はどんどん真相に迫っていきます。

 

話は 12月6日(土曜日)で終わっています。

濃い内容なのに たった10日間の出来事なんですね。

久し振りに読むのをやめられない状態に陥りました。

 

1999年作。

2012年に活断層上に建設されているのが発覚した 敦賀原発2号機を思い出しました。

反対派の先峰者が実は反対分子の気をそらせる為の賛成派だった 。

以前、学生運動のリーダーが 適当に暴れるよう、与党から報酬を受け取って いた そんなこともあったような。

 

コンピュータのことは良く分からないのですが 面白かったです。

 

 

    by   風呼     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『 津和野殺人事件 』  内田康夫著

2021-02-05 14:19:26 | 

 

ご存じ 探偵浅見光彦シリーズです。

 

島根県津和野の 名家の跡取りを巡っての 殺人事件。

 

きっちり組み立てられたストーリーに惹きこまれます。

 

丁寧な津和野の町の描写は 若いころ訪れた記憶を呼び覚ましました。

街中の清い水が流れる側溝を泳ぐ色鮮やかな鯉 何で突然こんなところにマリア堂? 等 。

 

端正な文章や筋書きに 読後感はなかなかですが

TVの 中村俊介で見る 浅見光彦シリーズも 風景が美しく 好きです。

 

「あの 後鳥羽伝説殺人事件 を解決した 探偵さん?」 とこの小説にも出てくる

”後鳥羽伝説殺人事件” のドラマを今日、BSフジの再放送で見ました。

母親役は 野際陽子さん、兄は 初代浅見光彦役の 榎本孝明さん。

 

名家の奥様役の 銀粉蝶さんと 野際陽子さんの 対面シーンは 美しい見ものでした。

 

色んな角度から楽しめる 浅見光彦シリーズです。

 

 

    by   風呼      

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする