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ハイドン 交響曲第26番『嘆き』/フィッシャー&AHハイドンPO

2007年10月30日 23時16分54秒 | ハイドン
 26番という番号はついているものの、これまで聴いてきた21~24番あたりのエステルハージ家の副楽長を勤めた時代の後に来る、いわゆる「シュトルム・ウント・ドランク(日本語訳は「疾風怒濤」、語呂といい字句といい、実にうまい訳ですよね)」と呼ばれる時期の作品のようです。シュトルム・ウント・ドランクというは本来はドイツ文学で起こったムーブメントのようで、「若きウェルテルの悩み」あたりに象徴されるような、理性より激しい感情の表出を優先させるといったあたりに特徴があったようで、これは当然、その後のロマン派の先駆をなす試みになる訳ですが、ともあれこの時期の音楽にもそれなりに共通する特徴であることから、一緒にくくられるなったんでしょうね。

 さて、この交響曲第26番ですが、久々にニックネーム付きです。日本では「嘆き」とか「哀歌」といった訳がつくようですが、第1楽章の冒頭からそのタイトルが納得できる曲調となっています。緊張感が高く、やけにものものしいニ短調のテーマは、とりあえずこれまでのハイドンの交響曲では聴いたことがないドラマチックさがあります。第二主題ではいくらか明るく展開されますが、全体としては確かに激しい感情のようなものを感じさせるます。モーツァルトの短調の交響曲もすぐそこ....といった感じですね。第二楽章はへ長調のごくごく普通の緩徐楽章。麗しい女性がしずしずと歩くような優美さがあります。第3楽章は短調のメヌエットで、全体にバロック的、教会的な響きがありますが、時に鋭いアタック音が聴こえてくるあたりは、第一楽章のエコーでしょうか、トリオは長調ですが、ここでもするどい和音が独特の緊張感をよんでいます。
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