Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

シューマン 交響曲全集/コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO

2007年10月01日 22時16分12秒 | クラシック(一般)
 私が購入した最初のシューマン交響曲全集がこれ。フィリップスのグロリア・シリーズとかいう廉価盤で、単売で確か1番と3番、2番と4番という組み合わせだったと思う。このグロリア・シリーズも、セル&クリーブランドの芸術とかオーマンディ音の饗宴、あとEMIやグラムフォンあたりの廉価盤シリーズと並んでけっこうお世話になった。このシリーズでまず思い出すのはサヴァリッシュとウィーン交響楽団のブラームスやワーグナー、ハースのドビュッシーといったところだが、これもけっこう忘れられない。なぜかというと、これは前に書いたけれど、結局、私はシューマン交響曲にどうも馴染めず、ずいぶんと長いことCDで購入することがなかったからで、このコンヴィチュニーとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏しか聴いてこなかったからだ。まぁ、忘れられないというより「これしかなかった」という方が正確であるが。

 さて、最近リマスタリングされ3枚組(関連する管弦楽曲も収録)でリリースされたこのアルバム、今、ディスク1を聴いているところだが、おおよそ20年ぶりに聴い割には、懐かしさのようなものがほとんどないのが妙だ。ここ数ヶ月いろいろな演奏を聴きまくったせいで、一番最初に聴いたこの演奏の記憶がほとんど消されてしまったのかもしれないが、「あぁ、こうだったよね」というは、「へぇ、こんな演奏だったんだ」という感じなのである。私の聴いたグロリア盤は、交響曲を各一面に1曲したものだったから、アナログ盤としてはかなり長時間収録だったのが、きっと災いしたのだろう。録音レベルが低い上、音そのものがやけにこもっていていた印象があったが、そのあたりがリマスタリングの成果もあってか、ほとんど一掃されているのだ。

 もちろん、オケが東独の古いオーケストラで指揮がコンヴィチュニーだからして、シャープでクリアな演奏では当然ない。音的には相変わらずもっさりしているといってもいいかもしれないが、CDではいかにもドイツのオケらしい重厚なピラミッド型のサウンドをくまなく表現していて、そのゆったりとしたスケール感やサウンドの実在感といったものは、レコードとはほとんど別物な印象がある。演奏そのものも遅めのテンポで悠々迫らぬムードをたたえており、70年代以降のモダンな解釈とは一線を画した重厚さがあって、ちょうどサヴァリッシュとドレスデンの演奏を、更に保守的にしたような趣だ。ある意味、古くさい演奏なのだが、それがこの演奏の良さであり、価値ということになるだろう。まだディスク1を聴いただけだが、個人的にはセル、サヴァリッシュに匹敵する演奏だと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする