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ナット・キング・コール/ピアノ・クラシックス

2007年10月05日 23時29分57秒 | JAZZ-Piano Trio
 こちらは先日とりあげた「ヴォーカル・クラシックス」のディスクの後半にはいっているもの。原題は「インストゥルメンタル・クラシックス」だが、何故か邦題は「ピアノ・クラシックス」となっている、きっと発売元ではそっちの方が分かりやすいと思ったんだろうな....ちょっとばかり余計なお世話だと思ってしまう(笑)。それにしてもこれが録音された頃、つまり40年代中盤~後半の頃のコールは、ヴォーカルとピアノどっちがメインだったのだろう。元々はコールは30年代にジャズピアニストとしてデビューして、ピアノ、ギター、ベースからなるピアノ・トリオというフォーマットをつくりあげた人という知識は一応あるのだけれど、40年代なかばともなればヴォーカリストとしてもかなり売れていたハズで、一体どくらいの時期にヴォーカルとピアノの比重を反転させたかよく分からないのである。

 ともあれ、ここに収録された12曲はピアノ・トリオ時代をコールを伝える作品ばかりである。私はピアノ・トリオというとどうしてもドラムが欲しいと思ってしまう人なので、ここに収録された作品のうち、例えば14曲目の「恋とは何でしょう」とか16曲目「ジス・ウェイ・アウト」、20曲目の名曲「スイート・ジョージア・ブラウン」などのどちらかというとアップテンポでスウィンギーな作品は、あまりに古色蒼然とした古くささを感じてしまうのだが(コンガの入る「バップ・キック」とかになると、多少は緩和されるのだから)、それでも聴きこんでみると、当時としてはここで聴かれる音楽の名技性とそこから来る爽快感のようなものは、やはり凄いものだったのだろうなとは思う。また、音楽的にはもうこれの後にすぐオスカー・ピターソンのテクニカルさにつながっていくのもよくわかる(トリルのようなフレージングとか、左手を時にフィルインのようにガツンといれるところなどまさにそう)。

 ちなみに比較的なスローなバラード系の作品群は素直に楽しめる。当時はとても現代的な都会的センスに満ち満ちた演奏だったんだろうけど、そのブルージーなセンスにせよ、アーシーな暗さにしたところで、今聴くとしっとりとしたとても上品なセンスにくるまれている感じがするのは、まさに時代の流れなんだろう。13曲目の「ザ・マン・アイ・ラヴ」とか17曲目「ボディ・アンド・ソウル」などぼんやり流していると、その古くささがかえって気持ちよくなってくるから不思議だ。
コメント
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