「クリシェ」に続く84年の作品。前作で頂点を極めたといっていい陰影に富んだ欧州路線から一転して「明るい」作品に仕上がってます。そのせいかこのアルバム、数ある彼女の作品でも最も売れた作品になりましたし、それまでの多少マニア受けする存在だったのが、一気に一般への認知度を上げた作品ともいえます。シングルカットされた「夏に恋する女たち」がそこそこヒットして、TVや街角でかの曲がちらほら流れているを聴いて、「大貫妙子もメジャーになったのかぁ」と思ったりしたものですが、そういえば、この作品あたりからですかね、「ター坊シンパ」というか「大貫十字軍」みたいな一群の女性ファンが誕生したのは....。
アルバムは前述の「夏に恋する女たち」からスタート、クラシカルなピアノにAOR風なサックスが絡み、透き通るような大貫妙子のヴォーカルが流れ込んで来るイントロは彼女の作品でももっとも印象的、美しい瞬間だと思います。実際このアルバムのイメージって、このイントロで決まったみたいなところありますね。ちなみに、本編はテクノっぽい仕上がりですが、ストリングス、ホーン、チェンバロ風なシンセなどを全編に心地よく配置して、彼女の声に絶妙の彩りを添えています。さすがにデビュウ時から彼女のパートナーとして付き合ってきただけあって坂本龍一のアレンジもさえ渡ってます。
続く主要な楽曲はほぼ坂本の作る「東京発、テクノ経由、ヨーロッパ行」みたいなサウンドですが、当時、坂本は徐々に過激なサウンドを指向するようになっていたせいか、タイトル曲などでは、かなりエッジの切り立ったリズムが顔を出したりしますが、大貫というキャラとはこのあたりがぎりぎりのバランスだったような気がしないでもないです。また、「テディ・ベア」は同じ頃プロデュースした飯島真理と共通するような「音楽(YMO)」路線のポップな仕上がり。
あと、このアルバムにもう一色、ヴァリエーションを与えているのは清水信之がアレンジを担当した「ルクレツィア」「SIESTA」「エル・トゥルマニェ」といった曲での開放感でしょうか。前作はフランス的なイメージだったとするとこれらの曲は、もろにイタリア風していて、どれも澄み切った青空、輝く太陽....みたいな開放的なイメージを全開しているの印象的です。
という訳で、彼女のひんやりとして、美しいがちょっと超然とした声を、一般に認知させてもらうには、このアルバムのポップさ、開放感が、結果的に絶妙なプレゼンテーションを果たしたといったところではないかと思います。
アルバムは前述の「夏に恋する女たち」からスタート、クラシカルなピアノにAOR風なサックスが絡み、透き通るような大貫妙子のヴォーカルが流れ込んで来るイントロは彼女の作品でももっとも印象的、美しい瞬間だと思います。実際このアルバムのイメージって、このイントロで決まったみたいなところありますね。ちなみに、本編はテクノっぽい仕上がりですが、ストリングス、ホーン、チェンバロ風なシンセなどを全編に心地よく配置して、彼女の声に絶妙の彩りを添えています。さすがにデビュウ時から彼女のパートナーとして付き合ってきただけあって坂本龍一のアレンジもさえ渡ってます。
続く主要な楽曲はほぼ坂本の作る「東京発、テクノ経由、ヨーロッパ行」みたいなサウンドですが、当時、坂本は徐々に過激なサウンドを指向するようになっていたせいか、タイトル曲などでは、かなりエッジの切り立ったリズムが顔を出したりしますが、大貫というキャラとはこのあたりがぎりぎりのバランスだったような気がしないでもないです。また、「テディ・ベア」は同じ頃プロデュースした飯島真理と共通するような「音楽(YMO)」路線のポップな仕上がり。
あと、このアルバムにもう一色、ヴァリエーションを与えているのは清水信之がアレンジを担当した「ルクレツィア」「SIESTA」「エル・トゥルマニェ」といった曲での開放感でしょうか。前作はフランス的なイメージだったとするとこれらの曲は、もろにイタリア風していて、どれも澄み切った青空、輝く太陽....みたいな開放的なイメージを全開しているの印象的です。
という訳で、彼女のひんやりとして、美しいがちょっと超然とした声を、一般に認知させてもらうには、このアルバムのポップさ、開放感が、結果的に絶妙なプレゼンテーションを果たしたといったところではないかと思います。