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G.エメリック/ザ・ビートルズ・サウンド最後の真実

2007年10月08日 23時12分47秒 | Books
 私はここしばらく、ポール関連の作品ばかり聴いているが、「フレミング・パイ」を聴ききながらアルバムのクレジットなどを眺めていたら、ジェフ・エメリックの名前を見つけたことで、ふと思い出して「積ん読中」だったこの本をとりだしてきた。確か1月に購入してきたもので、最初は興味津々に読み始めたんだけど、どうも前半部分はどうも話題がビートルズから離れがだったり、寄り道みたいな部分も多くて、いつのまにか放置してしまったいたのだ(あの時期は他に読みたい本も沢山あったし、ビートルズ関連の音楽そのものに、ちょいと興味が向かなかったこともあったかもしれないが....)。

 そんな訳で、この一週間くらいかけてようやくこの大冊を読み終えた。やはりおもしろくなるのは、冒頭の部分で扱われる「リヴォルバー」の章くらいからだろう。この時期のビートルズは来る日も来る日続く単調なツアーの疲弊もあってか、スタジオ・ワークにのめり込むようになっていくのは有名な話だが、それを当時のエンジニアの生き証言として語られるのだからおもしろい。おまけのそのエンジニアはどちらかといえば、現在のエンジニアと共通するようなブロデューサーの領域に侵犯するようなタイプで(でもないか?)、しかもアイデアマンだったせいで、当時にしてみれば実験的としかいいようがないビートルズの発想を次々に具体化していくプロセスを生々しく語られていくのは確かにおもしろい。

 また、ポール寄りではあるものの、ビートルズの面々のキャラクターを割と冷静に観察し、「サージャント・ペパー」以降、メンバーのキャラの顕在化、頂点を極めた人間の傲慢な振る舞い、ドラッグ漬けのスタジオの乱痴気騒ぎなどなどを通じて、バンドそのものが崩壊していくプロセスを生々しく描いている点も興味深い。このあたりはマーク・ウィソーンによる「ビートルズ・レコーディング・セッション」の記述でも一部伺いしれたものだけれど、ようやくその全容....ってほどではないにして、現場の雰囲気が解明されたというところかもしれない。とにかく4人の奇行集団に翻弄された、当時のアビイロード・スタジオの混乱ぶりがよくわかる。特にジョンはひどく、68年あたりを境にジョンの奇行ぶりがエスカレートしていくのをみていると、ドラッグの災禍というのは確実に音楽面でもジョンを蝕んでいたのだなぁ....とも思ったりもした。
コメント
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