Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

Wes Montgomery / Smokin' At The Half Note

2007年05月26日 23時52分15秒 | JAZZ
 ウェス・モンゴメリーはヴァーブに移籍後、2作ほど比較的聴きやすいイージー・リスニング的な作品を作りましたが、それに続く作品がこの「スモーキン・アット・ザ・ハーフ・ノート」というアルバムです。おそらく、ポップな作品が続いたので、たまには目先を替えて久しぶりにウィントンロケリー・トリオを従えてフリー・ブローイング的な作品を作ってスクウェアなジャズ・ファンのご機嫌を伺っておこうか....みたいな制作動機があったと思われますが(なにしろプロデュースがクリード・テイラーですからね-笑)、それでもライブだけでアルバムをまとめるには、パフォーマンスが長すぎたのか、タイイトルの由来となったライブ・パフォーマンスが収録されたのは前半(旧A面)の2曲のみ、後半3曲は同じメンツとはいえ、れっきとしたスタジオ録音でコンパクトな仕上がりになっています。

 ともあれ、問題の2曲は「ノーブルース」が12分、「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」が8分と長尺演奏となっています。前者はこのアルバムをジャズの名盤たらしめた非常に有名なパフォーマンスで、モンゴメリーの圧倒的に豊穣なギター・ワークがこれでもかというほどにフィーチャーされた、まさに汲めども尽きぬフレーズの宝庫のような名演。後者はスロウ・テンポでムーディーな演奏で、テーマ部分ではウィントン・ケリー・トリオが主導、ソロの場面になるとがぜんモンゴメリーががんばりだすという仕掛けになってますが、いかにもジャズ・クラブの演奏といったリラクゼーションと会場ノイズが実にいいムードを醸し出しています。

 一方、スタジオ録音の3曲も非常に充実したパフォーマンスです。個人的にはライブの2曲より、こちらのきっちりかっちりとしたコンパクトな完成度の方が好ましく感じます。「ユニット7」はベスト盤には必ず収録される名曲ですが、アップ・テンポの中、よどみなく進行していくテンションはさすがだし、ラテンのリズムを隠し味につかったちょいと入り組んだテーマもかっこいいです。「フォー・オン・シックス」はアフター・アワーズ的な夜のムードが実にいい感じで、バンド全体が徐々にテンションの上がっていま様もなかなかです。「ホワッツ・ニュー」は、ライブの「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」と同様なムードで演奏されるスローなバラードですが、やはり6分に刈り込んでいるせいか、ソロが長すぎて原曲がどっかにいってしまうようなこともなく、全体に聴きやすさがありますね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする