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シェーンベルク 弦楽四重奏曲第1番/新ウィーン弦楽四重奏団

2007年05月23日 23時32分06秒 | マーラー+新ウィーン
これもしばらく前に購入して放置してあったもの。今回聴くために改めてクレジットをみてみると録音は60年代後半で意外と古いのには驚きました。シェーンベルクの弦楽四重奏曲全集といえば、この時期ではラサールの演奏が唯一なんじゃないかと思ってましたけど、こういう団体もしっかり演奏していたんですね。ところで、これを演奏している新ウィーン弦楽四重奏団なんですが、いったたいどんな団体なのか、ネットで調べたものの、他にCD化されている演奏もないようですし、彼らを扱った記事も出てこなくてよくわかりませんでした。この団体名やレーベルからして、たぶんウィーン・フィルのメンバーにより編成されたものだろうとは思うんですが、本家ウィーン弦楽四重奏団とはどんな関係になっているんでしょうね。

 さて、演奏ですが、これはもう見事なくらいにウィーン訛りが出た演奏という他はありません。この曲は私にとって非常に難解な曲であることは、もう何度も書いたとおりですが、そうした頭によく入っていない楽曲でも、この演奏の独特なウィーンクセというかサウンド、つまり長目のシンコペーションとくすんだような響きはとてもよくわかります。この曲の精緻な構造を解析したというに相応しいシャープなラサールの演奏や今時な軽さと流麗さをもったシェーンベルクの演奏に比べると、そのとつとつとした感じはいささか古くさい趣すらありますが、ある意味この曲にはこういう辛気くささみたいなものが元々あるんだろうという気もしますし、この曲はかなりブラームス的なところすらある作品ですから、緩急を割と大きくとって主題を明確に対照させたり、ちまちましたところはあまりこだわらず、一気に押し切ったような趣があるのは、ひとつの見識だろうとも思いました。
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