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シェーンベルク 弦楽四重奏曲第1番/ラサール弦楽四重奏団

2007年05月14日 23時55分16秒 | マーラー+新ウィーン
 私のとって非常に難解な第1番ですが、ほとんど毎日のように聴き続けているおかげか、多少は「解りかけて来た」ような気がします。いや「いいなぁ、この曲」なんて思えるような段階でもないですが、まぁ、とりあえず曲の登場人物の顔をうっすらと覚えてきたというようなところです。実はこの曲、ラサール弦楽四重奏団による「新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集」を購入した時、やはり似たような聴き込みをして、作品番号のないシェーンベルクが作った一番最初の弦楽四重奏曲(こちらもかなり晦渋な作品でありましたが)を聴いて、次にこの第1番に挑戦してすっかり玉砕したことがあったので、実は今回で2回目のトライとなる訳で、今回は少しはものにしたいとがんばっているのです(笑)。

 で、この曲これまではシェーンベルク弦楽四重奏団の演奏を聴いた訳ですが、今度は前述のラサールの方の演奏をひっぱり出してきました。シェーンベルク弦楽四重奏団の演奏は「浄夜」の時に書いたのと同様、刺々しいところの全くないとても滑らかな演奏で、そのおかげで、この曲の構造面の巧緻さ、あるい知的楽しみみたいなところを、あまり表に出さず、大きな流れの中に様々な要素をごく自然に収束させたような趣がありましたが、さすがにラサールの方は、60年代後半~70年代前半という収録時期のせいなのか、現代音楽専門集団の特徴なのか、ともかくそのあたりをきっちりシャープに表現しています。リズムの鋭いアクセントもそうですが、ともかま譜面の意味するところをきっちり伝えるという意気込みが、きいていてビシビシと伝わってくるまさに真剣そのものといったシリアスな表情は息苦しいほどです。

 もっともそのおかげで、曲の緩急だとか、振幅といったものがかなり明確に対照されているので、各部分は非常にわかりやすいです。あまりにすーすーと流れてしまい、「あれ、ここもう第2主題だっけ?」とかいう風に、曲をポジションを見失いがちだったシェーンベルク弦楽四重奏団に比べると、ある意味解説的というか、わかり易い演奏にともいえるように思いました。
コメント
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