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ブライアン・フェリー/フランティック

2007年05月06日 17時14分29秒 | ROCK-POP
 2002年に購入して、2,3回聴いたまま放置してあった作品ですが、もう5年も経ってしまったんですね。ブライアン・フェリーといえば、ロキシーの「アヴァロン」とソロの「ボーイズ・アンド・ガールズ」があまり極上のAORサウンドして完成され尽くしていたため、その後の作品はどうもこの2作を引きずりつつも、これを超えられないという感じが強かったですが、この作品では前作のノスタルジックなジャズ・スタイルの導入で吹っ切れたのか、ようやく「アヴァロン」の呪縛が解けたような仕上がりとなっています。一口にいえば、70年代中盤~後半のソロ作品の雰囲気に戻ったというところでしょう。全面的に参加している訳ではありませんが、その時期のソロ・アルバムの常連だったポール・トンプソン(ロキシーのドラマー)、クリス・スペディングなどを久々に起用しているあたりで、音楽的狙いはもは明らかといったところでしょう。

 アルバムは「イッツ・オール・オーヴァー・ナウ・ベイビー・ブルー」からスタート。冒頭のボーカルを聴くと、まごうことなき初期型フェリーのヘナホナしたあの歌い方が復活していて、おもわずにやりとします。バックでうっすらと絡むストリングスの細い響きはアン・オデールのアレンジを思い出させたりしもしますし、カントリー・フレイバーは「ベールをぬいだ花嫁」に近かったりもして、私のようなオールド・ファンにはたまらまく懐かしい音ですね。ともあれ、これまでのフュージョン系のミュージシャンと打ち込みを起用したきらびやかなサウンドとは全く別物の音になっていることだけは確か。
 気がついたところだと、4曲目「ゴッデス・オブ・ラヴ」あたりは、初期型ロキシーの賑々しさ+ハウスという感じでけっこうモダンなサウンドですし、アラン・レネの「24時間の情事」を題材にした「ヒロシマ」も似た路線で楽しめます。カントリー・フレイバーが強い曲も多いですが、11曲は「サンシメオン」だけは「アヴァロン」路線のゆるやかな空間サウンドですかね。

 そうそう、フェリーといえば、つい最近ディランのカバー大会をやらかした「ディラネスク」というアルバムを出しているようですが、イーノが大分関わっているらしく(「マムーク」あたりからイーノとは本格的に復縁した模様です-笑)、これまたおもしろうなのです。ただ、私はディランの歌あまり良く知らないので、おもしろ味半減かもしれませんが。
コメント
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