前回の日記で、雨の日曜日、某ミッションのためにJRで湖北の町に向かったと記しましたが、この日、帰りは知人に車に乗せてもらいました。ところが利休鼠の雨のなか国道を一路南へと向かっていましたら、へんな物体が目に飛び込んできました。
国道沿いにある某消防署の前を通り過ぎようとしたら、消防署の裏の広い駐車場、その隅っこに未確認物体がぽつんと鎮座しております。この物体、何かしら人目を避けているような気配、GGI、あの物体は何かワケありだなと思いましたので、がら空きの駐車場に車を止めてもらい、探検におもむきました
怪しい物体は、高さは1メートル少々、頭の部分は半球状、胴体部分は半径数十センチの円筒、金属製、スイッチやボタン、アンテナ、ランプなどの類はまったくなく、のっぺらぼうのシンプルな形態、音やシグナルなどを発するわけでもなさそう、ただただ静かに一人ぼっちで鎮座しています。いつもながらお手数ですが写真をクリックしてご確認くださいませ
そしてこの物体、おそらく何かとても大切なものなのでしょう、四方を金網のフェンスでしっかり囲まれています、しかも金網のドアにあたる部分には厳重に鍵がかけられています、関係者以外は立ち入り厳禁と言わんばかりのたたずまい、できるだけこの物体に人を寄せ付けまいという雰囲気が伝わってきます
しかしながら、そのような雰囲気が感じられるだけであって、何の表示もありません、ふつうであれば関係者以外の人が近づくことが可能な屋外に設置される装置や設備などの場合、その物体が何であるのか、その名称や物体を設置した者の名前などを記した看板や立ち入り禁止などの注意書きなどがフェンスなどに掲げられているものですが、そのような表示はまったくありません、まことに怪しい物体であります、まさにこれは未確認鎮座物体そのもの、まるで「ボクのことはどうか気にしないで、無視してください、ボクはできるだけ目立ちたくないのです」と言っているかのようであります
そこでGGI、この未確認鎮座物体の正体を突き止めるべく、至近距離からこの鎮座物体と対話することにいたしました
「おいキミ、キミはいったい何やねん、WHAT ARE YOU!?」
しかしこの物体君、沈黙を守ったままです、そこでGGI、言ってやりました
「オマエ、寝てるのか?起きているなら返事ぐらいしたらどうや、人がものをたずねているというのに」
そうしましたら返事がありました
「何ですか、いきなり!ヒトにものをたずねるのにその口のきき方は失礼じゃないですか!」
「おっ、口をきいたな、起きてたのか、そんなこと言うけど君はヒトかいな?そんな変な格好して、ヒトのはずないやろ」
「そんなことはどうでもよろしい、ヒトかどうかは私には関係ないことです」
「確かに君がヒトかどうかはどうでもええことや、ところで君は何物や、のっぺらぼうで、自分の名札もつけていないから聞いているのや」
「申し上げられません、できるだけ自分からは積極的に名乗らないことにしているのです、それが私のポリシーです」
「ポリシーとは、えらそうなこと言うなあ君は。でも君のつるつるの坊主頭は何かに似てるなあ、そうや、核弾頭や、君は余剰プルトニウムで密かにつくられた核弾頭や!そうやろ?」
「オッサン、アホちゃいますか、でも私のポリシーに従い、その質問に対して肯定も否定もいたしません、それに核兵器の所在に関しては否定も肯定もしないのが現代国際政治の常識ですから」
「憎たらしいこと言うガキやなあ、まあ、どうしても言いたくないなら無理には聞かん、ところで君はここで何をしてるんや」
「ごらんのとおりです、ひたすら鎮座しております、でもオッサンのいまの質問は最初の質問と同義反復ではないでしょうか?」
「いちいちうるさいこと言うガキやな、それで鎮座して何を待ってるのや?悟りでも開こうというのかいな」
「なかなかグッドな質問です、当たらずと言えども遠からずというところでしょうか、実は私は炭鉱のカナリアのようなものと言ってもよいでありませう、まあ、換言いたしますと、ひたすら鎮座しつつ、カタストロフの時に備えていると言ってよろしいでしょう」
「なに?カタストロフ?わけの分からんこと言うな、えらそうに横文字つかってごまかそうというのやろ」
しかしながら、ここで慧眼の人GGI、ふ~んカタストロフかと考えているうちにピーンときました。
それでGGI、声をひそめて、そっと言ってやりました
「わかったぞ、君の正体が。君は・・・・・やろ、どうや、当たりやろ!」
「御明算です」
と、ここまでクドクド持って回った言い方をいたしてきましたが、感の良い方は写真をご覧になったとたん、この未確認鎮座物体が何であるかお分かりになったのではいかと思います。お分かりにならない方は、正解を記した日記を書くかもしれませんので、それまでお待ちくださいませ
グッドナイト・グッドラック!