昨日の夕刊、朝日のトップ記事は意外なものでありました。かなり意外でありました。見出しは以下のようなものです。
《大飯1・2号機 廃炉へ:22日決定 安全対策費かさむ》
関電は22日に臨時取締役会を開き大飯原発1号機と2号機の廃炉を正式に決定するというニュースです。記事によれば国内で出力100万キロワット以上の大型原子炉を廃炉にするのは、2011年に大震災で事故を起こした福島第一原発1~4号機と同じ敷地にある6号機(110万キロワット)を除けば初めてのこととされています(このニュースのデジタル版は以下のサイトに掲載されています)
https://www.asahi.com/articles/ASKDN3CM5KDNPLFA001.html
この記事を目にしてのGGIの感想は一言でいえば「歓迎」であります
この両原子炉は出力がいずれも117万キロワット、運転年数はすでに38年。いわゆる40年ルール(原発の運転は原則40年までとするという民主党政権時代に決められた方針)まであと2年。関電が廃炉にすることに決定した直接的理由は、福島原発事故の新たな規制方針に従い20年の運転延長の許可を得るためには安全対策費がかさみ過ぎ、採算がとれないということです。
ですから、このたびの関電による大飯原発1・2号機の廃炉決定は原子力規制委員会による新たな規制基準の適用が功を奏したものであると言ってもよいのではないかとGGIは考えます。
原発に強く反対して運動を行っている市民や原発訴訟を行っている弁護士さんなどの間では原子力規制員会や新たな規制基準についての評判は良くありません。曰く「世界一厳しい規制基準などと言っているがデタラメ、安易に原発の再稼働を認め、40年ルールを無視して次々に安易に運転延長を認めている、けしからん」などなど、酷評には事欠きませぬ。
新規制基準は世界一厳しいのかどうか、GGIは他の国の規制基準の具体的内容はほとんど知りませんので、これがまっくたのデタラメかどうか、なんともいいかねるのですが、少なくとも、規制当局が全原発の原子炉をすべてオンラインで24時間監視しており且つ強い権限を持つ規制当局の監視員がすべての原発に常駐しているという米国原子力規制委員会による厳しい規制には、その厳しさは、日本の規制基準は及ばないので確かであろうと思います
しかし、日本の新規制基準、いろいろ不備な点や批判されるべき点はあるのでしょうけれども、このたび関電が自ら大飯原発1・2号機の廃炉を決定せざるを得なかったことを考えますと、新規制基準の下に規制に努めてきた規制員会は十分ではないにしても確実に一定の役割を果たしている言うことができるのではないかとGGIは思います
また、みなさんもご存知のように、規制委員会が強い勧告を行ったために、高速増殖炉「もんじゅ」の計画が放棄されるに至っています。規制委員会がこの勧告を行ったとき、GGは「本気かな?」とはなはだ疑っていたのですが、規制員会は本気であり、その結果、勧告に従うことができなかったため、高速増殖炉「もんじゅ」の計画は完全に放棄されるにいたりました。この「もんじゅ」に関しては規制員会は立派にその役割を果たしたといってよいであろうとGGIは考えています。
高速増殖炉「もんじゅ」計画の断念といい、このたびの大飯原発1・2号機の廃炉といい、直接的には、市民の力によるものではなく、規制委員会といういわば政府の一機関が行った行為により可能となったものですが、それでも脱原発を願う一市民としてGGIはこれらの決定を歓迎したいと思います
これらの出来事は直接的には市民による反原発運動の成果であるとはいい難いのは明らかであるものの、規制委員会をここまで動かしたことの背景には、福島原発以後の原発依存からの脱却を強く願う幅広い様々な市民による世論の力が存在していたと言えるのではないでせうか・・・。
原子力規制委員会による規制に批判されるべき点が多々あることは確かですが、評価に値する点が存在しているならばそれなりに評価すべきであろうというのがGGIの考えです。
ついでに申し上げますと関電はすでに美浜原発1号機(34万キロワット)と2号機(50万キロワット)の廃炉を決定していますので、このたびの決定により関電の原発による発電能力は福島原発事故後にその3分の1を失うことになります
関電さん、もうそろそろ年貢の治めどきと思って、まずはもう一息がんばって原発の発電能力を福島原発事故以前の半分以下にまで減らし、次いで全廃に向かって勢いをつけてください!
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・
今日の写真は大飯原発の廃炉を伝える朝日の記事をとったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ
グッドナイト・グッドラック!