UGUG・GGIのかしこばか日記 

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コロナ禍の陰で:フクシマの汚染土の99%を「再利用」しようという環境大臣の小泉君・・・

2020-07-06 01:19:14 | 日記
去る3月5日の朝日新聞に《東日本大震災から9年:難題残し進む「中間貯蔵」》と題された特集記事が掲載されていました。

福島県内から集められた放射能に汚染された土の「中間貯蔵」施設の問題点についての記事です。以下に、いつもながら手抜きでありますが、この記事を下敷きにして、例のパフォーマンス好きの小泉君が大臣を務める環境省がトンデモないことを計画していることをご紹介させていただきます。

福島第一原発事故により広大な土地が放射能に汚染されましたが、現在、除染作業で出た汚染土が、原発を取り囲むようにして設けられた「中間貯蔵施設」に搬入されつつあります。貯蔵施設の名前の前に「中間」とつくのは、25年後の2045年3月までに貯蔵された汚染土を掘り起こし、福島県外で最終処分することが法律で定められているからです。

総事業費1兆6千億円という巨大事業、汚染土の総量は約1400万㎥とされており、貯蔵施設への搬入が開始されたから5年、これまでに615万㎥が施設に搬入されており、残量は785万㎥、2021年度までに搬入を終える計画です。

今日の写真は中間貯蔵施設の配置図です。3月5日付けの朝日新聞が「環境省の資料から」として掲載していた写真です。クリックしてご覧になってください。

施設の広さは東京ドームの約340倍にあたる16平方キロメートルもあり、原発を囲むように双葉町と大熊町にまたがっています。
 
原発事故後の除染作業ではぎ取られた土は、汚染土として当初は県内の仮置き場や校庭、公園、民家の軒先などに置かれていたのですが、仮置き場の数はピーク時には15万カ所。このためまとめて保管する中間貯蔵施設が必要となり、政府が福島県にこの施設の建設を持ちかけました。その結果、2014年8月、当時の佐藤雄平・県知事が「苦渋の決断」として受け入れを表明、2015年から汚染土の搬入が開始されました。
 
搬入された汚染土は敷地内の7カ所に掘られた巨大な台形の穴に捨てられます。たとえばある穴の大きさは奥行きが約800メートル、横幅は約200メートル、深さは約30メートル、底とのり面には遮水シートが重ねられています。汚染土はベルトコンベヤーやダンプカーによって穴の底に運ばれ、ショベルカーなどで地ならしされ、最終的には約15メートルの高さにまで積まれます。管理する環境省の職員は「遮水シートが万一破れても、放射性セシウムを吸収するマットも敷いてある。地下水に浸透しない構造」としています。

汚染土の搬入は2021年度に終えることになっていますが、 先に記したように「中間」貯蔵施設に貯められた汚染土は法律に基づき2045年3月までに県外の最終処分場に移さなければなりません。しかしながら、最終処分場を福島県外のどこに設けるのか、見通しはまったく立っていませぬ。

地元住民などや関係者間では県外での最終処分は「不可能」とする声が根強いとされています。この問題について吉田淳・大熊町長は、「最終処分場は難しい問題。大熊町でも、受け入れは絶対にダメという意見と受け入れないと除染が進まないという意見との間で苦しい選択だった。今度は《最終》処分場となるのでもっと難しい問題になるだろう。だからと言っていつまでも大熊町というわけにはいかない。当然、政府の責任において最終処分場を探すべきだ」としています。

しかし、原発から生じる高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定と同様、汚染土の最終処分場の選定も難航を極めることを目に見えております

このように難問に直面しているのです。ところが、一方において、環境省は放射性物質の濃度が低い汚染土について、道路や防波堤など福島県内外の公共事業に使う計画を進めています。つまり汚染土の「再利用」を考えているのです。

この汚染土の「再利用」というのは、環境省の「中間貯蔵除染土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」なるものが2016年3月30日に決定した、《放射性物質の濃度が8,000ベクレル/kg以下の汚染土を、「遮蔽および飛散・流出の防止」を行った上で、全国の公共事業で利用できる》とする方針に基づいたものであるとされています。環境省によれば「周辺住民などの追加被ばく量は年間10マイクロシーベルトに押さえられる」そうでありますが・・・・

上記の8000ベクレル/kgという値は、福島原発事故後の2011年8月に制定された「放射性物質汚染対処特措法」に基づき放射性セシウムの濃度が「特定廃棄物」とされる基準値です。これ以上の値の汚染度は特別な処理を経て処分することが必要とさらます。

この8000ベクレル/kgより低い、特定廃棄物には分類されない廃棄物は基本的には従来の廃棄物処理法に基づいて処理することが許されるとされています。ただし、この特措法が制定される以前すなわち福島原発事故以前の「特定廃棄物」の基準値は100ベクレㇽ/kgでした。つまり原発事故後、汚染物の処理を容易にするために、この基準値は意図的に80倍に緩められているのです。これはお役所によるご都合主義の典型ですが、この大幅に緩和された基準値を下回る汚染土はOK!どんどん「再利用」しようというのです。

誰が考えても、これはかなり危ない話です。原発事故以前なら「再利用」することなど許されるはずがない汚染物をムリヤリ安全であることにして「再利用」しようというのですから。

このように環境省が汚染土の「再利用」を意図しているのは、最終処分場に回す量を減らすことができれば、最終処分場の受け入れ先の理解を得やすいと考えていることによるものです。環境省の試算では、技術開発が進めば最大で99%を再利用できるとされています。このため、現に飯館村の帰宅困難区域において、汚染土の上を汚染されていない普通の土で覆い、花などを植える実証実験を行っているとのことです。

「技術開発が進めば」が何を意味しているのか不明ですが、中間貯蔵施設に搬入された汚染土の99%!も「再利用」できるとは・・・・GGIはこのことを知って唖然としてしまいました。驚きを通り越してあきれてしまいます。これがほんとうなら最終処分場なんかほとんど不要ということになってしまいます。危険な汚染度がなんか存在していないも同然ということになります。ほんとうにこのようなことを可能とする新技術など考えられるのでせうか?とうてい信じられませぬ・・・・

しかしながら、汚染土を広く「再利用」することは、いくら放射能の濃度が現行の特定廃棄物の基準値よりも低いとしても、結局は放射能を福島県内外に、全国に、広く薄くばら撒くことを意味しています。せっかく大変な労力で一カ所にあつめた汚染土をわざわざあちこちにばら撒くとは、なんという愚行、国民の目を欺く前代未聞の大愚行・・・これでは汚染土を「処理」したことにならないのは明らかです。これでは環境省ではなく環境汚染省であります。汚染土の「再利用」なるものはまったくのご都合主義、ゴマカシに過ぎません。世紀の大陰謀です。とうてい市民として看過することはできませぬ。

ついでながら申し上げますと、汚染土中の放射能の濃度をある希望する一定の値以下にすることは原理的には極めて簡単に行うことができます。たとえば、ある汚染土における放射能の濃度を「特定廃棄物」とされるされる基準値である8000ベクレルよりも低くするためには、汚染土に対して十分な量の汚染されていない土を加えて、混ぜ合わせて均一にすれば、汚染土中の放射能の濃度を基準値以下に自由に下げることができます。ただし濃度を下げるための作業はかなりの労力が必要とされるでせう。まさか環境省が言うところの「新技術」がこんな詐欺同然のインチキな方法を指しているとは思いたくないのですが、安心はできませぬ。

GGIは不勉強のため、汚染土の問題がこのようなことになっているとは、この朝日の記事を目にするまでは恥ずかしながらはっきりとは認識していませんでした。しかしながら、福島県内の人々のあいだには再利用に強く反対の声があり、この問題の存在を知っているNPOや市民の皆さんもすでに「再利用反対」の声を挙げています。

この朝日の記事がウソでない証拠に、朝日が上記の記事を掲載した日の翌日、
3月6日のNHKが「注目の発言」として、小泉環境大臣が声高らかに「汚染土の再利用」を宣言したというニュースを報じていました。以下にこのニュースをそのまま紹介しておきます。

《6日の閣議後の会見で小泉大臣は観葉植物の鉢植えを示し、原発事故にともなう除染で出た土を大臣室や政務三役などの部屋に置く鉢植えの土として利用を始めたと述べました。
 土は5日、中間貯蔵施設から運んできたということで、鉢植えを設置した前後の大臣室の放射線量はいずれも1時間当たり0.06マイクロシーベルトで変化はなかったとしています。
 小泉大臣は「風化や風評被害を食い止める。その決意の象徴がこの鉢植えだ。原発事故から9年を迎えるなかで、長い復興への道のりを福島と歩んでいきたい」と述べました。
 除染で出た土を利用するのは8つの鉢植えで、一つ当たり2キロから5キロの土を使っている(環境省の発表では約5100ベクレル/kgの汚染土が用いられているとのこと)。
 環境省によりますと、福島県内の除染にともなって出た土や草木などの廃棄物は、帰還困難区域を除いておよそ1400万立方メートルに上ります。
 放射性物質の濃度が一定の基準を下回った土は全国の公共工事などで再生利用する方針ですが、福島県飯舘村の長泥地区で再来年度から農地の造成に使う計画以外は具体的に進んでいません》

小泉君よ、何をいい気になっているのですか、何を的外れの見苦しい屁理屈をこねているのですか。小泉君よ、君には環境省大臣はとってもムリ。君はただ目立ちたがり、パフォーマンスが好きなだけの人間、ただのアホです。さっさと大臣を止めなさい!それが国民のためです。

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

グッドナイト・グッドラック!